第33話 無事救出?
「「「「う、うわーっ!!」」」」
ボス部屋の扉が勢いよく開いて、四人が飛び出した。
どうやら時間切れのようだ。
……他の人の強制退場って何だかんだ初めてみたな。
というより飛び出すというよりは弾き出されるんやねー。
勉強になるー。
「っと、そんなこと言っている場合じゃねぇな。そーれっと」
俺は魔法で四人を掴む。
風魔法で飛び出してきた勢いを相殺して地面に下ろす。
「ま、マジ死ぬかと思ったーーー!」
「……生きてる、生きてるぞ……」
四人とも顔が青ざめて震えて腰が抜けてる。
サークルのメンバーが走ってきてポーションとかを飲ませているから少し休憩したら動けそうだな。
「お前ら!なんでボスに挑戦したんだ!自分達のランクでどうなるかわからない程弱くないだろ!」
「お、俺たちもわかってますよ」
「……ボスに勝てる見込みはほぼなかった」
「け、けどぉ、アゲハパイセンが……」
一年生っぽい三人ーCランクの子たちーが頭を下げている。
アゲハと呼ばれた子は俯いて膝を抱えてる。
「……アゲハ、その話本当か?Bランクのお前がなんでそんな判断をしたんだ?」
「……って」
「ん。なんだ?」
「だって!ミノタウロス狩りにきたらぜんぜんいなくて!BBQの食材見つからなくて!階層ボスはカニっぽいやつが出るって聞いたから食材になるとおもったの!」
「だからって……肉なら他のモンスターでもよかったじゃないか」
「……金峰山の牛系モンスターってミノタウロスしかいないし……BBQって言ったら牛だよなって言ったのカワチじゃん!……うぁーん!!!」
「ちょ、泣くなって!肉ならスーパーで買ってもいいだろ!ボスに挑むにしてもなんで連絡しないんだよ!」
「だって!だって!」
うーん、これはなんと言うか……
流れを整理すると今回のBBQは新人歓迎会も兼ねてダンジョンの食材でやろうという話になり、金峰山ダンジョンにきたと。
で、アゲハさんのパーティーは肉を集める予定で中層のミノタウロスを狩りにきた。
けどミノタウロスが沸くエリアにきても全く見当たらない。
BBQを楽しみにしていた新人そして部長を悲しませまいとアゲハさんは奮起、ボスのカニ―ビックスパイクスコーピオン―を倒して海鮮BBQにしようとしたみたいだ。
……あれ?これってミノタウロスを狩った俺のせい?




