第31話 行方不明者を探せ
さっと片付けて通路に出てみるとダンジョンに入る前に受付にいたグループが中層に向かって入っていくところだった。
「新人グループの最後に連絡が取れたのは?!」
「……最後は中層6区、ボス部屋前です……そろそろ15分が経つかと……
「おいおい!……あいつらのランクじゃボスなんかに勝てないだろ!!なんで誰も止めなかった!」
「部長、普通は行かないっすよー……ボス部屋なんて」
どうやらサークルの新人グループが集合時間までに戻ってきていないみたいだ。
中層6区……そういえばさっきミノタウロスを瞬殺したフロアだったな。
倒したときに人の気配はなかったし入れ違いになったか、それとも……
とりあえずここにいたのも何かの縁だし、人助けしますかね。
「すみません。中層6区に、誰か残っているんですか?」
思いきって部長さんっぽい人に話しかけてみた。
「え?……っとすみません、探索者の方ですか?……うちのグループの新人チームが中層のボス部屋に挑んでいるみたいで……戻ってきてないんです。今から探しに行かないと」
「中層に?今から行くにしても時間がかかりますね。ちなみにランクはどこくらいの方々なんです?」
「……この前Cランクに上がったばかりの3人です。一応Bランクのメンバーもいて4人チームで行動させてたんですが、まさかボス部屋に行くとは……」
あー、若気の至りというやつですね。
雑魚モンス狩れる俺TUEEEE的なやーつ
金峰山ダンジョンはモンスターが弱いから余計に図に乗るやつがいるんだよなー
で、そういうやつほど階層ボスにワンパンされると。
「なるほど、流れはわかりました。ギルドへの報告は既に実施済みですか?」
「先ほど受付に連絡してきました。担当職員がすぐ来るそうですが、もう最後の連絡から15分がたっているので……」
通常階層ボスの戦いは15~20分。
その話が正しいならそろそろ決着がつく頃だ。
「とりあえず中層まで行きましょう。自分も付いていきます」
「ありがとうございます!助かります」
さて、無事でいてくれよなー。




