第301話 探してみます
「冗談は置いておいて。国王はとりあえず一年は大丈夫なんですね。問題は脅しとして国民をモンスターに変えているってことですね……無関係の人を巻き込むやつは許せんですな」
「父上は公務もこなしながら治療していますので、治療に専念すればモンスター化を防ぐことは出来ると言っていました。ですが国民が巻き込まれるのは王族として許せません。出来るだけ早く見つけて作戦を決行しなければ……!」
なるほどねー。
多分だけどサヒーリ王女たちが考えている作戦は失敗するんじゃないかな?
呪術師オーコがどんだけ強いか分からないけど本物と偽物を見間違えるとは思えない。
王様に呪いをかけて国を脅してまで手に入れようとしている奴だからね。
その辺、ドムリさんとかジェシカさんにも相談しているのか聞いてみたら、王族と大臣など上層部の極小数で決定したって。
オーコの使い魔や買収された人が王宮に潜んでいる可能性を考えるとそれで決めるしか無かったそう。
『大樹龍の瞳』を探している理由は王様の症状を緩和できる気がするとか何とかで誤魔化してるんだって。
……多分、ドムリさんなら反対したんじゃないかなー?
言い訳も無理がありそうだけど。
ま、ぶっちゃけ他国の話ではあるので俺が首を突っ込むことは控えましょう。
そもそも『大樹龍の瞳』がトミーの小屋=俺の持っている素材の山にあるとは思えないしね。
「わかりました。オーコとかいう呪術師については自分は関わらないことにします。一応他国の事情ですからねー」
「はい。それで問題ありません。タジマさんにはダンジョンでの指導をお願いします。出来れば『大樹龍の瞳』を見つけていただけると嬉しいですが。報酬は倍増しでお渡しします」
「まぁーそのへん聞かずにトミーの小屋、探しましたからねー。あったら連絡しますよー。厄介事に巻き込まれないことが1番なので」
今更感がスゴイけどね!
多分俺、オーコと対面する気がするよ!
……こういう予感、いつも当たる気がするー。
もし日本にオーコが現れたら話ぐらいは聞きましょう。
聞くだけだからね!戦いませんよ!




