第300話 オーコの狙い
「オーコ、もといウロ家は古代戦争の時に大樹龍に呑み込まれて滅んだとされていました。しかしあの男が持っている杖は伝承に残っていたウロの長しか使えない杖でした」
「古代の生き残りが復讐をしに来ていると。しかも軍すらも歯が立たないぐらい強いやつ。けどそれで『大樹龍の瞳』を日本で求める理由にはならないですよね?」
「ごもっともです。おそらくオーコの目的は『大樹龍の瞳』を取り込み、初代ナウロ国王と同様の力を手に入れて国、いや世界を手に入れようとしていると思われます」
「せ、世界?!また話しが大きくなりましたね!」
「『大樹龍の瞳』を心臓に蘇った初代ナウロ国王は奇跡の力を使い周りの島々を修復していったと言われています。おそらく現代で言うスキルが使用出来たんだと思います」
スキルはダンジョンの中でしか使えない。
それはダンジョンが出てきてから常識となっている。
常在型スキルなら使えるけど、俺の『巨人の拳』なんかは発動出来ないからね。
『大樹龍の瞳』を埋め込まれたことでスキルが日常的に使用できる状態になったと考えられるとのこと。
ダンジョン外でスキル使えるようになると結構すごいことになるよね。
俺で言うと『巨人の拳』が日常で使える的な。
子どもたちを、家より高い所まで高い高い出来るね!
絶対やらないけど。
「おそらくスキルが使えるようになるのは神の加護を受けている『大樹龍の瞳』だけ。新しく『大樹龍の瞳』を見つけてそれをオーコに渡せばスキルが使えず、その隙に捕縛出来るのでは、と考えているのです」
「……『大樹龍の瞳』は素材だからスキルを使える程の力は無いって想定だからですね。そこはティム君も言ってましたね」
結局、伝承に出てこないドラゴンなんてただのデカイモンスターだからね。
そんな力持ってたら世界中にSSSランクが溢れちゃうよ。
「可能であれば『大樹龍の瞳』に呪印を仕込んで体内に取り込もうとした際に発動出来れば、と思ったりもしてますけど」
……王女様、怖っ。




