第27話 新カメラで初配信
「バッテリーを入れて、このボタンを押すと……」
ボタンを押すとパソコンでよく聞く起動音と共にカメラが起動した。
おぉー、画質いいねー。
熊本県ギルドから支給されたカメラは最新型のダンジョン配信用カメラ。
ドローン型で追従してくれるので両手が使えると話題のやつだ。
静音式だからそこまで音が気にならないやつ。
今まではスマホだったから全然楽になるねー。
両手が使えないから狩猟配信とかそんなにやってこなかったからね。
やるなら胸ポケットに入れての配信だからね。
この前は見てたのがいつものメンバーで慣れてたし、魔法で倒したのでブレも少なく配信できてたね。
とりあえず準備もできたし、配信スタートといきますかねー。
『おっすー。今日も狩り配信？：紅生姜』
『うーっす、画質変わったか？いい画質だ：コナモン』
「おっすー。そそー、あのあと色々あってなー。カメラもらったんよ」
『は？まじ？どこから？：コナモン』
『KLMの事務所から？コラボ用で？あーさんやるやーん：紅生姜』
「んな訳。ギルドからダンジョンで色々あったから記録の意味を込めて、ってところよ。ダンジョン三人娘の件はとくに進展なしぞ」
ダンジョン三人娘のイオさんからコラボの話が出ていたがその後はとくにない。
しいて言えばtmitterのDMでマネージャー説得してます！と言う報告があったくらい。
……本当に説得してるんだろうか。
コラボになったらどーしたらええんや俺……
「あ、そういえば登録者数が３０人越えてたわ。たぶんKLM系の人たちかな？」
『たぶんそーじゃね？俺見れんからわからんが：コナモン』
『Tmitterであーさんの情報出てなかったし完全に身内じゃね？メンバーとかPとか：紅生姜』
「やっぱそーだよなー。ありがたい限りよ」
『あと私たちも見てますので悪しからず：熊本県ギルド公式』
ブフォ！！
口に含んでた飲んでた水が逆流した。
ちょ、待って待って。
何でギルド公式がここに！
『公式きちゃー：紅生姜』
『公式きちゃー：コナモン』
『一応何かあった時にすぐ対応できるよう配信を見るように支部長から言われてますので。一応それを含めてのカメラ配布になります：熊本県ギルド公式』
「ゲホゲホ……まぁある程度はわかってましたけど……公式アカウントでこのチャンネル来るのは不味くないですか？」
一応ギルドは公益法人なので特定の探索者に関わることは原則禁止されていたような。
『今回は初回と言うことで公式アカウントできています。次からは個人垢で来るのでよろしくです：熊本県ギルド公式』
あ、さいですか……
