第26話 金峰山ダンジョン
車で金峰山ダンジョン向かう。
今の職場から金峰山ダンジョンまでは車で10分程度の距離にある。
金峰山ダンジョンは白川ダンジョンよりは小さいが、受付と更衣室、シャワー室も完備されている。
受付には男性職員が入場手続きをしている。
受付を覗いてみると若い人が7~8人集まっていた。
どこかの大学のサークルで複数グループでパーティーを組んで潜ってるみたいだ。
この辺なら崩城か保魔健の子達かな?
「よーし、今回は中層に行くグループもいるから、通信機器は必ず携帯して何かあれば先輩に連絡すること!今日のメインは明日の歓迎会にむけたBBQの食材集めだ。ダンジョンで取れた素材は各々持って帰ってもいいけど、お肉は忘れずに集めてこいよー。サボったら飯抜きなー」
「「「「「うぃーっす」」」」」
大盾と長剣を装備した男性―たぶん部長さん―が指揮をする。
「ひどいっすよ部長ー。俺たちまだ中層はいったばっかりっすよ」
「そーそー、てかホーンブル系は先輩タチが倒してうちらは野菜系集めるだけでよくネ?」
手前の金髪、茶髪の二人は乗り気じゃない系かな?
「そういうなって。野菜系もマンドラゴラみたいに命に関わる系の植物モンスターだって生えてるし、何ならモンスター系の野菜も中層に出てくることもあるからな。油断せずに行けよ。じゃ、22時に皆受付集合なー」
「「……うぃーすー」」
「声が小さい!」
「「うっす!」」
「さーって!やってやるっすよー!目指せミノタウロスっす!」
「む、モンスター倒す。ワイバーンとか居ない?」
「狩の時間だー!」
ぞろぞろとダンジョンに入っていくサークルメンバー。
……若いっていいなー。
油断してると痛い目を見るのはダンジョン共通。
ポーションとかで多少の傷は回復できるけど、怪我なく無事に戻ってきて欲しいところ。
若手はドコも大事な人財だからね。
……というよりサークル単位でBBQで食材集めをしているなら、俺が食べる分がなくなる可能性もあるな。
大学生の食欲はとんでもないからなー……
ミノタウロス1頭、一人で食べたりするからなー。
……ゆっくり準備してる暇はないかもしれない。
早速更衣室でスーツからいつものダンジョン装備に着替えて受付に。
金峰山ダンジョンはミノタウロスが、階層ボスではなくボス部屋手前に2匹出現するので先に倒されなければ楽に狩れるのだ。
よし、今日こそはシャトーブリアンを食べるぞ!




