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第22話 支部長との会議


白川ダンジョンにつくと速攻会議室につれていかれた。

会議室につくと既に人が座っていた。

熊本県ギルドの支部長、長嶺龍彦ながみね たつひこさんだ。

支部長さんは3年ぐらい前に福岡から転勤されたそうで、少し顔馴染みでもある。

住んでいる地域が近いこともあって通勤時にコンビニでたまに出会ったりしてるからね。


「休み中に急ぎ来ていただいて申し訳ない。田島さん」

「いえいえ。長嶺さんが来てると聞いたなら一介の探索者ならすぐ飛んできますよー。なんてったって支部長ですから」

「そういってくれるのは田島さんぐらいですよ。今じゃ若手から椅子に座ってるだけのおいぼれと陰口を言われる日々です。」


ちょっと落ち込んで言われると冗談なのか判断に困るのでやめて欲しい。

福崎さんが頷いてるから結構本当なのかも?

挨拶が終わって福崎さんが部屋からでていった後長嶺さんがこちらを向いた。


「さて、雑談はこれまでにしておいて。今日お呼びしたのは昨日福崎に連絡していただいたモンスターの件です」

「マンティコア、ですよね?」

「その通りです。マンティコアは通常下層3区から5区、それよりも下に生息しているのが一般的。いや、今までの常識でした。ですが今回田島さんが階層ボス部屋とはいえ中層で出会ってしまった。」


マンティコアは下層のいわば中ボス的な立ち位置。そんなもんが中層にいていいわけがない。


「さらに先月、非公式ながらオーガを中層で倒されていますよね?ネットでは結構騒がれてましたっけ?」


……流石支部長、ご存じでしたか。

熊本のギルド職員だとたぶんすぐばれるだろうとは考えていたので想定内。

ちなみにオーガの生息域は通常下層7区以下、ダンジョンによっては階層ボスでもある。


「……一回だけでしたらイレギュラーとして処理させていただきました。しかし、ここ1ヶ月下層のモンスターが中層で目撃される事案が立て続けで起きた……この事案は熊本県ギルドとして、いや日本ギルドとしてもとても重大な案件となりました」

「……まさか!」

「……ダンジョンの氾濫、その前兆と考えられます。大変宜しくない事実ですが」


『氾濫』とはダンジョンからモンスターが地上にでてくることを言う。

発生原因はモンスターの異常繁殖が多いが、ごく稀にダンジョン内に危険度が高いモンスターが誕生したことで、モンスターが生息域を逃げて上層部に移動する場合もある。

ダンジョンが氾濫した場合は探索者だけでなく一般人も巻き込まれる可能性があり、国が非常事態宣言を発令する。

ちなみに日本だと氾濫は小規模なものも多々あるが、大規模なものだと過去4回発生している。

具体的には東京(新宿)、岩手(盛岡)、北海道(釧路)、福岡(門司)……

どの氾濫でも犠牲者が多数発生している……




それが、熊本で……?




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