第196話 家族で見に行こう!内覧会
南阿蘇さんから渡された資料に目を通す。
おすすめの3件は、どれも個性的。
1つ目は小学校から歩いて2分という立地にある築55年の平屋
2つ目は今のアパートの近くにある築36年の2階建て
3つ目は学校から離れてるけど敷地面積が大きい地下室、蔵付きの築18年の家
……うん、南阿蘇さんが癖があるって言ってたのは3つ目だな。
なんかフラグが立つ気がするよ、うん。
子どもの通学を考えると1つ目の物件が良さそうだけど3つ目がいいかも?
その辺はやっぱり見て決めた方がいいな。
とりあえずゆりが来るまでゆっくり待ちますかね。
「お待たせー、待った?」
「ゆり、お疲れ様。子どもたちは?」
「ぱぱー、はいしんまだー?」
30分ほど待っているとゆりたちが白川にやって来た。
下の子はお昼寝時間だったようでゆりがおんぶしてる。
「ちりちゃんー。今日は配信しないよ。一緒に家を見に行こう」
「えー、お肉たべたいー」
「こら、ちり。騒がないの」
「ぶー」
ちりちゃん、ほっぺ膨らましてもだめです。
最近俺が配信するとお肉を持って帰ってたからダンジョン産の肉の味を覚えたみたい。
ダンジョンに入れるようになるのは13歳からだからまだまだ先の話だからね。
ご機嫌斜め上な状態で行くのも大変なので、夕飯は焼き肉にしようと言ったら小躍りしながら喜んでた。
……ただ肉が食べたかっただけだな、うん。
「ははは、元気そうな子どもたちですな」
「すみません、うるさくしてしまい」
「いやいや、何ならこれだけ騒がしいのに起きないその子の方が気になりますね」
「あ、紹介がまだでしたね。りゅうくんです。基本保育園でも寝てるそうなんですけど動くと元気です」
田島龍生―たじまりゅうせい―、いつもりゅう君と呼んでいる下の子です。
ずいぶん前に配信に入り込んだのでSSSジュニアと呼ばれてたりする。
基本寝る、本当に寝る。
幼稚園でもお遊戯の時間でも寝てるそう。
寝る子は育つと言うからそこまで気にしたことはないけど、学校に上がると大変そうなのでそろそろ活動させた方がいいかなー
そんなこんなで田島家が揃ったので南阿蘇さんの案内で家の内覧に向かった。
いい物件だといいけどねー




