第193話 カレー
「……はっ!食べ続けてしまった」
「あ、長嶺さん。帰ってきました?」
皿の中がなくなったことで脳の処理が追いついてきたのか、長嶺さんが正気に戻ったみたいだ。
深層の食材の旨味は未知の味だからねー
脳が解析しようとフル回転するから食べ慣れてないと舌に意識がもっていかれるんだよな。
……後で怒られたりしないよね?
俺も食べてるけどやっぱり美味しいね。
ジャガイモはホクホクで噛めば噛むほどイモの食感を感じながら甘味を感じれるし、ニンジンもスパイスに負けずに主張してる。
玉ねぎの甘味も後からほのかにやってくるのでどんどん食べれる。
しかもスパイスって言っても市販のカレールーにトミーがもってた塩コショウを追加しただけなんだけどね。
……多分ヤバイ物ではないはず。
:ギルドの幹部が無心で食べるカレーってヤバそう
:マジ無理、今度中層の素材でカレー作る
:これ、動画につかえるな!情報ありがとう!〇ネオンロード<50000円>
:私も参考にさせていただきますわー!〇砲煙バクハですの!<50000円>
:配信者のネタ供給www
:けど、料理配信で失敗しにくい料理だよな
「こんなに美味しいカレーは初めてですね。特にジャガイモ!じゃがバターも美味しそうです」
「いいっすねー、じゃがバター。バズーカポテトタートルのジャガイモはそのまま蒸しても美味しいですよ」
「……流石に今は入らないのでまた今度お願いしても?」
「オッケーでーす。なんなら余ってるのでお裾分け……って法律的にアウトでしたっけ」
「食材の譲渡もダメですね……全く、探索者の利権を守るためとはいえガチガチにし過ぎですよね……あ、ここカットで」
「配信中なので無理です。あ、切り抜きでは外せると思いますよ。まぁリスナーでその辺気にする人はいないでしょ」
:んだんだ
:ランクが下のやつは守られてるけど上位ランクの人は損だよな
:おっさんの場合は譲渡したら市場が壊れる
:確かに!今の法律のままでいいな!
:ギルドの幹部が俺たちと同じ考えでよかった
「ほら、コメントもそこまで燃えてない」
「……統率が取れてると言うか、国への不満が貯まっているのか」
「ニュースにでもなったら守りますから」
「そういう炎上はノーセンキューですよ!」
俺もですよー
炎上は勘弁です。