第186話 鍋探し
そんなこんなで雑談しながら素材採取を続けて深層7区、迷宮入り口までついた。
酔い醒ましの材料もちゃんと揃えたよ。
マンドラゴラって久しぶりに採取したよ。
あれ、声を聞くと死ぬって言われてるからマイクミュートにしたりして大変だった……
「さて、迷路についたけど壁動かすのだるいなー」
「道を覚えれば楽じゃぞ。ついてこい」
「覚えるって、これ毎日構造が変わるじゃん」
「なーに、これだけの規模の迷路を動かすにも相当な魔力が必要だからな。変わると言ってもある程度パターン化されとるぞ」
そう言ってランファが迷路に入っていく。
パターンって言っても最低でも数千はあるよな。
それを覚えるって流石は神獣。
今はどう見ても千鳥足の酔っぱらいだけど。
「ほーれ、ついたぞ」
「マジか……壁動かすよりも早い」
迷路に入って15分でトミーの小屋についた。
横にはこの前見たランファの店が並んでる。
:おっさんの壁動かし無駄だったんか
:おっさんお疲れ!
:白沢ってヤバイんだな
:やっぱ人間じゃねぇ
「さて、素材をくれや。流石に眠気が出てきて薬の調合はやりたくないしな」
「へいへい、これだよな」
「おぉ、ありがたやありがたや。それじゃーのー」
ランファが手を振りながら店に帰っていった。
……調合失敗してまた採取のお願いとかされないよな?
流石に次はしないぞ。
トミーの小屋に入って鍋を探す。
そもそもキュプロークスは巨人なのでどれもこれもサイズがデカイ。
鍋も30人前ぐらい作れそうな深い鍋ばっかりだ。
「うーん、見つけられない……」
:巨人の台所、でかくて草
:包丁とかでも大剣ぐらいあるじゃん
:あの奥の鍋って雪平?多分使えそ?〈5000円〉
:ドラゴン三枚下ろしに出来そう
:フライパン、大盾やんけw〈500円〉
お、スパチャでリスナーから情報が。
見た目は雪平鍋、大きさは寸胴鍋よりも一回り大きいサイズ。
うん、これくらいなら丁度いいかも知れない。
食材も多めに取ってきてるし、この鍋にしよう。
ついでに土鍋もあったので拝借。
ご飯炊かないといけないからね。
アイテムバッグに詰めて上層に戻る。
ついでに乾燥ジャーキーと香辛料も拝借。
ただ単に家で食べる用。
これ美味しいんだよねー、ワイバーンのジャーキー。
あと倉庫にある素材もある程度持って帰ろう。
流石に少しずつ減らしていかないとトミーに怒られそうだしね。
今回は植物系の素材を持って帰ろう。
何があるかなー