第180話 よし、カレーを作ろう
3月になりました。
月の後半からは仕事の繁忙期が始まります。
……毎年思うんだけど、マジで人って記憶がなくなるんだよね。
毎年毎年同じ質問をしてくる人がいたり、処理を間違えたり。
手順書を紙に残せよ!と声をあげて言いたい。
しかも問い合わせが夕方に来るし、時間がないから急げだの何だの……
ストレスがマッハですよ、本当に。
こういう時はダンジョンで飯を食べよう。
カレンダーを確認、金曜日だけどまだ定時帰宅が許されるこの週ならダンジョンにいけるな。
てことで定時のチャイムを聞いてから挨拶をして会社を出る。
エレベーターを待っているとチームリーダーも帰宅するそう。
今日は配信すると言ったら晩酌ついでに見てくれるそうだ。
これはただ肉焼くだけだと画面が寂しいかな?
今は繁茂期だし、前から作りたかったカレーにしてみようかな!
カレー粉は市販のものだけど野菜とはか現地調達で。
ゆりにも今日はダンジョンに入ることを連絡。
今日は実家に子どもたちを預けてのんびりするって。
『あ、カレー作るなら、多めに作ってね!明日皆で食べるから』
「お、マジか。一人分の予定だったわ」
『アイテムを持ち帰れるようになったんだから当然です!肉とか野菜とかだけだと私じゃさばけない時があるから加工して貰った方が楽なのー』
……そういえば前ストーンバードの肉渡したら包丁で切れないって泣きつかれましたね。
俺、素手で引きちぎって焼いてたから気付かなかったんだよね。
白川ダンジョンに向かう前にスーパーに立ち寄る。
カレー粉は多めに買っておこう。
元々カレーは3人前食べるので1箱買う予定だったけど子どもたちも食べるので4箱。
鍋は……キャンプ用の一人鍋を車に置いてたけど足りなさそうだし、そのためにわざわざ買うのも忍びない。
……あ、そうだ。
トミーの家にでかい鍋があったな。
あの小屋、トミーがいないときでもある程度使っていいって言われてたし今日は拝借しよう。
鍋用の竈は俺の魔法で作ればいいし、深層で作る必要はないな。
鍋はアイテムバッグにいれればいいしね。
具材はじゃがいも、玉ねぎ、ニンジン、肉。
この辺は現地調達。
ザ王道のカレーにしたいよね。
キーマもスープも好きだけどやっぱりカレーはライスにかけるのが一番。
あ、米も買っていかないと。
いつものセーフゾーン、湧水が出てたからあそこでチャチャッと洗って炊けばいいよね。
買い物が終わって時計を見ると18:30を指していた。
今からダンジョンに潜って素材を集めてからだと食べれるのは20時ぐらいかな?
俺は白川ダンジョンに車を走らせた。