第172話 ミミックの倒し方(特殊) 後
「あ、プルプルが止まったよ!」
ゆりからの報告でミミックを見る。
見た感じは最初と変わりがない。
「じゃ最後に今もってる一番強い魔法をミミックの後ろからぶつけてください!スキルでもいいですけど、物理攻撃はやめてくださいね」
「ミミックがひっくり返るぐらいの威力がベストです!」
「……魔法ですか。私は元々近接メインなので。マコ、お願いできるかな?」
「……よし。やってみます!『ファイアートルネード』!」
マコさんの手から炎の渦がミミックに向かって放たれた。
離れているこっちにも熱風が襲ってくる。
炎の渦に巻き込まれたミミックが宙を舞い
回転しながら地面に落ちる。
落ちたあとまたブルッと震えると宝箱が解放された。
中にはさっき放り込んだボトルが。
中身にはほんのり青い色の液体が満たされている。
よしよし、うまく作れたぞ。
これ、ランダムだから一発でうまくいったな。
俺はミミックからボトルを取り出し、マコさんに渡す。
「お待たせしました。万能薬とは程遠いですが……『ブルーエーテル』です」
「「『ブルーエーテル』?」」
「これは体内の魔力を微量ですが回復していく薬です。飲めば定期的に魔力回復し続けるので定期的に飲めば発作は押さえられるかと」
『ブルーエーテル』はざっくり言うと常時回復状態のバフをかける飲み物だ。
品質、色によって効果が変わるが、今回は魔力を回復する青を探してたのでよかった。
今回は下級エーテルなので効果は10日ほどなので、あんまりおすすめはできないけどね。
「元々エーテルシリーズは下層から深層の宝箱か『エーテルビー』と呼ばれるダンジョン下層に生息するハチの蜜から加工しないと手に入りません。ただ寝ているミミックに聖水を与えて衝撃を与えることで中層でも手に入れることが出来るんです」
「なんかまたすごいことを聞いてしまった感」
「これ、配信でしゃべったりしました?」
「……多分配信できないでしょう。エーテルシリーズって結構高価なので」
ブルーエーテルだと1本800万ぐらいかな?
まぁ、エリクサーよりは、全然安いですし、魔力欠乏症を完全に治せない時間稼ぎのアイテムなので申し訳ないんだけどね。
その話をしたらマコさんが気絶してしまった。
あんじさんとゆりからジト目で見られたよ。
俺、そんなに変なこといった??
ゆりから見られるのは釈然としないけどね!




