第140話 ティトガルダの牙
「ブラジル産、スリーヘッドブラックアリゲーターの革!20万から!、25、28、
おっと30だ!30ですよ!35!!他にいないか!他にいないか!35!」
司会がゴンッと木槌を叩く。
スリーヘッドブラックアリゲーターって体長20メートルを超えるその名の通り頭が3つあるワニだ。
今回出たのはワニの中でも背中の革、3メートル×6メートルの大きさだ。
……あのサイズで35万ドルってことはドラゴンだとどのくらいの値段になるんだろ……
オークションは薬系、素材系、アイテム系の順に進んでいくらしい。
薬系はエリクサーや万能薬の落札だったのでそこまで珍しいことはなかった。
エリクサーがカートンで約30兆円もするんだね……
オークションって初めて見たけど結構サクサク進むんだなー
市場の競りみたいに参加者が声はって金額を叫ぶもんだと思ってたけど手に持ったボードに金額を書いて見せるだけ。
とても静か、だけど日本円にしたら数千万から数億円の金額が動いてるんだよね、こわっ。
「続きまして、モンスターの素材としては最後。これは今日持ち込まれたレア中のレア!本邦初公開!深淵のモンスター『ティトガルダ』の牙1本!日本のSSSランク、アラタタジマが手に入れた1本。大きさは縦12メートル48センチ!横は根元で7メートル18センチ!今日持ち込まれたので絶賛ギルドで調査中ですが簡易鑑定で現存するドラゴン種の骨格に含まれている含有魔力を約3倍以上超えていることが分かっています!武器にするもよし、素材研究に使うもよし!」
……はい、さっき話してたティトガルダの牙です。
俺が全部受け取るのは今は無理なので牙を1本もらった。
因みにチャーリーさんは能力で鞄が深淵に繋がっているそうで人も転移できるそう。
ちょっと覗いてきたけど、俺が倒したモンスターの素材きれいに並べてありましたよ。
その数なんと数万個
野球ドームにすると4個分だって……
あそこで倒したモンスター、一匹一匹が大きいからね、仕方ないね……
素材を手に入れたので立川さんに相談したところ泡を吹いて気絶されました。
まぁ想像通りですよね……
なのでリリアさんを見つけて相談。
頭を抱えられたけどオークションに出品して落札額の3割を国際ギルド連盟に寄付することで急な出品の了承をもらった。
全額寄付でも問題なかったんだけどね。
倉庫の中にあと数十本、牙だけでもあるし、尻尾とか背骨、なんなら他の恐竜の素材だってあるし全部売ったら数兆円、いや数十兆円は行くんじゃないかな?
……買取りした国とか破産待ったなしだけどね。
その旨を伝えたら探索者としての自覚はないのか!と怒られました。
すみません。
まぁ、受け取った7割から税金でもっていかれる訳ですし、手元に入ってくるのがいくらになるのか分からないからね。
まぁ、ひとつ言えることは、子どもたちのクリスマスプレゼント代にはなるよね、絶対。