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第123話 ヤバイやつ

「レディースアンドジェントルマーン、ようこそ殺戮の舞台へ」




地面から出てきたクリスタルタートルの水晶の中、魔力が一番濃いところから声が響く。

クリスタルが動きだし、真ん中からヒトガタの何かが地面に降り立つ。

パッと見はピエロ。

赤と白の縞々が目を引くだぶっとした衣装を着ているけど、明らかに人間ではない何かだ。


「な、なんだあれ?」

「クリスタルタートルから出てきたぞ……何者?」


ゴングさん、ネクロさんは目の前のピエロが信じられないようだ。

だが俺は何となくあれの正体が分かる……気がする。

たぶん初見ではない。




……ただ思い出せないんだよね。

たぶんどっかであったことあるんだよ、どこかで。

30になるととたんに物忘れがひどくなるって言うけどここまでとは。

マジでどこであったんだっけ?


「あ~、その顔、その魔力。ワタシをコケにしたタジマアラタではないですか~。ご無沙汰ですね~」


ピエロが笑いかけてくる。

口の周りが真っ赤だからスゴく不快に感じる。




……だが思い出せない!

誰だ!コケにしたってことは戦ったことがあるやつか?

俺対人戦はしたことないんだけどな!


「……すみません。思い出せないんですが」

「……本当にコケにすることがお上手ですね。全く、覚えてないのですか?8年前の殺戮の舞台を」


8年前?……

俺が22歳の頃っていうと……

は!まさか!


「お前!深淵の!」

「思い出しましたか?タジマアラタ!」


深淵に、入ったとき襲ってきた12のなんたら王、その中にこのピエロがいたわ。

ほとんど殴り付けるか魔法でごり押してしまったからおぼえてないわー……


「まさか人々の欲望が溜まるこのダンジョンの中でアナタに出会うとは。こればかりは神に感謝、ですかね?」

「俺は会いたくはなかったな。そもそもお前ら名前が覚えにくいんだよ!」

「……ふん。覚えにくいのではなく頭が小さいのでしょう?もう一度、その小さい頭のために自己紹介をしましょう」

そういうとピエロは仰々しくお辞儀をした。

『フラクシア十二破界王、『鮮血道化師』ダレティ・デュレス・リスティクともうします。どうぞヨロシク」




まさかここで深淵、しかもヤバイやつと出会うとか……

俺、運無さすぎでは?





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