第122話 クリーチャーズさんとコラボ その4
金鉱脈のところまで戻ってきて今度は逆のルートに行く。
こっちの道は金鉱脈はなく、ところどころ魔法鉱石が点在してるみたいだ。
ほんのり輝いている鉱石がきれいだね。
「もしかしてアメリカって、魔法鉱石って売れないんですか?」
「ちょっと違いますね。魔法鉱石は売れますけど良質な魔法鉱石は別のダンジョンからたくさん産出されるのでこの辺のやつは安いんです」
東部のアパラチア山脈周辺がアダマンタイトの大鉱脈があるそう。
量、質共に最高級なのでこの辺の鉱石を持っていっても安く買い叩かれるそう。
なんかもったいないなー。
ちょっと拾っていこう。
3分ほど歩いていくと大きな広場が見えた。
広場の真ん中にはそびえ立つ紫水晶の塊が。
奥の壁が見えるくらいに透き通っているが、内部から淡い光が漏れていることから凄まじい魔力があることが分かる。
高さは20メートルはゆうにあるな……
「……あれですよね?」
「……ですね。でっかいクリスタルですな」
「……紫水晶って一番強いやつですよね?それであの大きさってことは」
明らかにヤバイやつだろう。
まだ全身が見えてないけど、絶対にてをだしたらアカンやつ。
とりあえず当初の予定通り遠くから観察してみよう。
遠くから観察を始めて10分、一切動きはない。
一応近づいて見てみるけど動く気配もない。
「うーん、思ってた以上に動かないですね、コイツ」
「まぁ亀だからですね。クリスタルだけでも動画映えはするんですけど」
「下手に動きを求めて攻撃するのもですね……」
はてさてどうしたもんか。
とりあえずクリスタルタートルの全体像だけでも把握するか。
「ちょっとスキル使って調べてみますか」
「あ、『迷宮掌握』ですか?たしかモンスターの動きを確認できるんでしたっけ?」
「ですです。とりあえずコイツが寝てるのかだけでも調べてみますかね……『迷宮掌握』」
スキルを発動させる。
おぉ、すごい魔力の塊。
周りのモンスターの気配すら飲み込みそうな力があるな……
クリスタルタートルの全体はこの広場と同じぐらい。
思ってたよりでかいな……ん?
「……あれ?」
「何かありました?」
ネクロさんが聞いてきた。
「クリスタルタートルの生命反応がない?けど魔力はスゴい……」
「え?それって?」
その瞬間、突然の揺れが襲ってクリスタルが地面から伸び始めた。
広場の床にヒビが入り、溢れ出る魔力で、空間が歪む。
クリスタルタートルが、地面から出現した。
但しその顔はもう骨と皮まで萎れて絶命寸前だった。
「レディースアンドジェントルマーン、ようこそ殺戮の舞台へ」