第118話 受付の周りで聞き耳
何だかんだあって『ランダムラッシュ』の受付です。
手続きはゴングさんとネクロさんがやってくれました。
……英単語読めないからね。
受付の周りは探索者が数十人集まってる。
オークションのサブイベントで探索者が直接素材を売買できるフリーマーケット的なのがあるそうで今はダンジョンに潜る人が多いそう。
掲示板もあったけど読めないので聞き耳をたてて情報収集。
「オイ、日本人が来てるぜ」
「オークションがあるからな、金稼ぎだろ」
「稼ぎが減るじゃねえか。ただでさえ人多いのに」
「全くだ。軟弱ジャパニーズは帰れっての」
……歓迎されてないなー
いいじゃん、ダンジョンに潜るのは自由だよ。
そもそもここはランダム性が高いから稼げるかもその日次第では?
愚痴を言いたくなるけど我慢我慢、情報収集を続けよう。
「聞いたか?中層にレアモンスターが出たって」
「俺見たぜ。背中に水晶担いだ亀だろ」
「クリスタルタートルか。あいつ深層のモンスターだろ?ったく、このダンジョンは」
「金鉱脈の近くじゃないからセーフだろ、あっちはモンスターが沸くだけで何にもないエリアだし」
「ちげぇねぇ。そもそもタートルは攻撃しなければ襲ってこないしな」
……深層のモンスター出てるのかーい。
なんてこったい。
クリスタルタートルって言えば魔法を使う亀だよね。
水晶の色と大きさで強さが変わるやつ。
たしか紫水晶が一番魔力があるんだっけ。
うん、近寄らないようにしよう。
『迷宮掌握』は初見ダンジョンは使わないようにしてたけど今回は使おう。
「日本人で思い出した。最近SSSに選ばれたやつがいるらしいぞ」
「日本人のSSSとか俺たちのSにも敵わないだろ」
「アメリカのレベルを他と比較するのはやめろよ。現実みてやめちまうだろ」
「ちげぇねぇ。ブハハハ」
……俺の評価低いねー。
まぁポッと出のSSSランクとか信用されないよね。
そもそも日本の探索者は世界的にも下に見られがちだからね。
ま、その辺ボチボチやっていきますよ。
情報収集も気が済んだのでゴングさんたちのところに戻る。
既に入場許可は降りていたそう。
クリスタルタートルの話もギルドから有ったそうで回避する方向で進めることになった。
さて、『ランダムラッシュ』挑みます!