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第110話 記者会見

「……えー、では本日の記者会見を終了します」


司会の方の一言で座っていた記者たちが立ち上がる。

今日の記者会見は国際オークションに日本から初めて出品するとのことで開催された。

俺も出品者として並んで座っていたけど、質問は立川さん、ネオンロードさんが回答してくれたので特に話すことはなかった。

正直しゃべることないですし、失言して炎上なんて怖くて怖くて。


「お疲れ様です。どうですか?記者会見は」

「ネオンロードさん、お疲れ様です。緊張して肩が痛いですね。回答もありがとうございます」


記者の人が皆出ていったあとネオンロードさんから声をかけて貰った。


「いえいえ。今日はギルドからも不要な質問はしないようにと釘を刺されてたみたいですから」


そう、ギルドから記者会見の場所で個人に関する質問をした場合、同行させないという通達があった。

マスコミ的には権力を振りかざしてる、とかなんとか言って記者会見の会場は紛糾。


「では、記者の方は上位ランクの方が本気で暴れた場合の責任を取られますか?2年前の事件、忘れている方はいないでしょう?あれを日本で起こす気ですか?!」


2年前の惨事というのは中東で発生した探索者のクーデターだ。

クーデターの首謀者は当時SSSランクに匹敵すると言われた『砂漠の大蛇』の異名を持つ凄腕の探索者とその仲間達8人。

クーデターの原因はマスコミの異常な付きまとい。

最初は国営放送局の襲撃から始まり、どんどん規模が大きくなっていってクーデターまで発展したという大事件だ。

クーデターの結果、中東の国々から領土を奪取、『バビロニスタン』という国を建国して沈静化。

奪取の際、『砂漠の大蛇』が一人で軍事拠点を粉砕、戦車を片手で投げつける動画が公開されたことで探索者はダンジョン外だと能力が制限されるという常識が間違っていたと世界に知れ渡った。

中東圏の国々は苦々しく思っているがこれ以上の介入は国の崩壊に繋がると停戦または戦争終結を宣言している。



ちなみにその事件の後、各国は今持つ軍事力では敵わないと考え、高ランクの探索者について待遇改善を実施したそうだ。

日本はそもそもSランクの探索者すら100人いないのでその辺はまだ未整備らしい。

ギルドからの命令は基本強制ってやつも今後は緩和されるみたいだしね。



そういうこともあって、万が一俺が怒りに身を任せて暴れてテレビ局を破壊、何てことになったら洒落にならないし、万が一クーデターまで発展したら責任を取らされることが確定なので、マスコミもギルドの指示にしたがったそうだ。

自分を守る時はスゴく律儀に守るよね、前はマスゴミとか呼ばれてたのに。


そもそも俺、今の生活が気に入ってるからクーデターなんて起こさないですよ。

流石に飯と家族、知り合いに手を出されたらキレますけど!






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