第108話 バクハさんと雑談配信 その3
「……何かオブラートに包んで質問するのがバカらしく思えてきましたわ」
「そこは包んでいただきたいですね……」
「はぁ……では次の質問『印象に残っているモンスターは?』」
「初見のタイラント・ダンジョン・ワームですね。あの巨体で新幹線並みの速度で突っ込んでくるのは反則だと思います」
「動画で拝見しましたけど、あれは深淵のモンスターなんですよね?討伐とか出来るのですの?」
「やれなくはないですね。弱点は水魔法なので全身を水浸しにすると身体が崩壊して攻撃が通りやすくなりますよ」
「……試されたんですの?」
「流石に流石に。友人に教えて貰いました。深層、深淵のモンスターはほとんど友人たちに教えて貰った感じです」
試そうとしてダンジョン水没させようとしたら思いっきりトミーに殴られたなー……
頭砕けるかと思ったもん。
「ちなみに友人方は亜人の方々なんですの?」
「亜人?と呼べるのが6人、神のようなやつが2人ですね。顔見知りだったらもう少し?」
「……やっぱりこの話はなかったことにさせて頂きますわ」
残念、友人たちの話をしたかったんだけどな。
全員個性的なんだよ、本当に。
「……はぁ、常識が崩れていきますわ。時間もそろそろいい頃ですので、最後に『今までで一番強かったモンスターは?』」
……強かったモンスター。
なかなか難しい質問だな。
大学生の頃は負け無しで深淵まで走り抜けて謎の奴らに喧嘩売られたんだよね。
あいつらが強かったんだけど、あれNO NAMEって判定されてるからなー……
それ以外となると……
「……あ、いた。リヴァイアサンだ」
「は?リヴァイアサン?神話に出てくる?」
「ですです。海の神、海龍と呼ばれるあれ」
リヴァイアサンは深淵1区で出てきた。
正確には幼体だったけど、中ボス扱いだったやつ。
マップ全体を海水で満たして行動を封じてきたり、海水を処理したら次は海流を操って海を空から降らせたりとハチャメチャなやつだったな。
大きさも100メートルぐらいあったし龍の名を持つ者感がスゴかったのを覚えてる。
「……そういえばリヴァイアサンの討伐報告とか聞いたことないですね」
「……そもそもリヴァイアサンの目撃情報すら極わずかですのよ。それを討伐となると世界初ですわね」
「……何かすみません」