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極論勇者は馬鹿でも出来る  作者: 夏之 夾竹桃
勇者召喚
3/3

第3話 過去

 そうして、道中色々あったが俺達は何とか冒険者ギルドに到着した。


「と、言うか君はまだ離れてくれないんだな。」


「離しません………死んでも。」


 とんでもない執着だ………曰く予言のようなものが聞こえているらしいが、その予言で俺は一体何をしているのだろう?まぁ、未来のことなんてなるようになるか。


「と、言うかまだ名前を聞いてなかったな。教えてくれるか?」


「フェル………です。フェル·ドラード。」


「そうか。よろしく、フェル。俺は―――――。」


「颯太………ですね?」


「………あぁ。」


 名前まで割れてるってどこまで正確な予言なんだか………まぁ、一応勇者として呼ばれのだらそう言うこともあるか。如何せん、この世界じゃ今までの常識は通用しないだろうから………嫌でも対応しないとな。

 と、そんなことを考えていた。そのときふと気がついたのだ。辺りの空気の異様さに。回りの人々は皆俺のことを見ている。まぁ、珍しいだろうなと思っていたが………よくよく観察して違うことがわかった。皆、俺を見ているのではない。見られているのはフェルの方であると。


「ここにはよく来るのか?」


「………はい。」


 それにしては少し、奇異の目を引きすぎているような気もする。そんな中、1人の大盾を持ち甲冑をまとった男性が俺に話しかけてきた。


「あんちゃん、悪いことは言わねぇ。そいつとつるむのは止めときな。見ねぇ顔だから知らねぇだろう。そいつの過去。」


「過去?」


「や、やめ―――――。」


「そいつはな、その昔魚人族の村を一晩にして壊滅させたんだよ。自分もその村の一員だったって言うのによ。」


「ほう………その動機は?」


「ちが………私は―――――。」


「予言………だそうだ。なんでも、勇者を呼ぶにはそうするしかなかった…とな。勇者なんてそんな者を狂信してるのさ。一言で言えば壊れてやがる。」


 と、今しがた勇者として召喚された俺に対してそう言った。


「ひとつ………聞いてもいいですか?」


「構わないぞ。」


「今の話が本当だとして、なぜ彼女は法的に裁かれていないのでしょう?」


「さあな?そればかりは俺達でも不思議なんだよ。何度取り合っても上は動いちゃくれない。なんでもあの村の最後の生き残りには絶対に手を出すなと命令を受けてるとかなんとかって話だ。まぁ、そう言うのも含めてそいつと関わることはお勧めしない。」


 事情は何となく察した。察したが………なかなか面倒な人を仲間にしてしまったのだなとつくづく思うのだった。

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