エンドロールには俺がいる
今日で世界が終わる。
ずっと怠惰に過ごしてきた我々人類が招いた当然の結果だ。
人生最後の日に俺は映画館にいる。
彼女もいっしょについてきた。
二人で最後に見る映画は少しだけシリアスなのにした。
スクリーンの前に二人だけ。
貸し切り状態の映画館何て一生に一度の経験だ。
この体験を共有することなく世界は終わる。
泣ける映画じゃないのに二人でずっと泣いていた。
2時間30分の上映がクライマックスに近づいてくる。
そして地が揺れ始める。
「最後までたくみと入れて幸せだったよ。ありがとう」
彼女は先に席を立ち映画館から出ていこうとする。
僕はそうかだけ返答して映画を最後まで観る。
本編は終わりエンドロールが流れる。
監督佐野巧。
俺が作った最初で最後のデビュー作だった。
評価・感想お待ちしております。
それではまた次回!