寓話 絶滅動物
寓話 絶滅動物
† オーロックス
1627年 絶滅
現在の牛の直接の祖先。特にホルスタイン種は直系の子孫にあたる。
先史時代の洞窟壁画に描かれている牛らしき動物は、ほぼこの動物、
オーロックスだと推定される。1627年、ポーランドで最後の1頭が死
んだ。
† ドードー
1681年 絶滅
『不思議の国のアリス』にも登場する不格好な鳥ゆえ、比較的よく知
られている。体長1メートル、体重25キロ、インド洋のモーリシャス
を中心としたマスカリン諸島に棲息。飛ぶどころか、走れなかった。
犬や猫に卵を食べられるなどして絶滅。絵と文章の記録以外に何ひと
つ存在した痕跡が残っていない。
† ステラーカイギュウ
1768年 絶滅?
1741年にベーリング海で発見されるものの、1768年には絶滅してい
る。人間と出会ってたった27年しか経ていない。昆布などを食べる、
ジュゴンに近い種。仲間を助けようとする習性のため、捕獲が容易で
あり、食用として乱獲された。仲間に突き刺さったモリやロープを外
そうとしたという記録があり、かなりの知性を有したと推測される。
1854年と1962年に未確認だが目撃情報がある。絶滅していない可能
性もある。
† ジャイアント・モア
1770年頃 絶滅
ニュージーランドにいた、体長3メートルの鳥。もちろん飛べなかっ
た。駝鳥に近い。キーウィ・バードはモアの進化形だと思われていた
が、DNA鑑定でエミューに近いことが判明した。そのキーウィも21
世紀には絶滅すると言われる。
† ブルーバック
1800年頃 絶滅
アフリカ及びアラビア半島にいた、羚羊の一種。アンテロープの仲
間。他の種は生き残っているが、族名のもととなったこの種自身は絶
滅した。非常に美しい毛皮のために乱獲され、地球の歴史から消え
た。
† オオウミガラス
1844年 絶滅
北半球、主に北極地方にいた、非常にペンギンに似た生態の鳥。とい
うより、元々この鳥が「ぺンギン」と呼ばれていた。属名も「ペンギ
ン」である。肉、卵とも美味だった。また、その羽毛も利用され、乱
獲。最後の個体2羽を殺した2名の漁師と、最後の1個の卵を踏んづけ
た男の名前が記録として残っている。
† ニホンオオカミ
1905年頃 絶滅
オオカミ=大神の名のとおり、かつては農耕民の守り神であり、狩猟
の対象ではなかった。しかし自然破壊により家畜を襲うようになり、
またほぼ並行して狂犬病が流行したため、多数が捕獲殺傷された。
2000年11月、幻の目撃情報あり。
† タスマニア・タイガー=フクロオオカミ
1960年頃 絶滅?
オーストラリアにいた有袋類。形態は狼に似る。背中にトラのような
縞があった。紀元前2600年頃、人間が持ち込んだディンゴによって
まず本土で絶滅。タスマニアに残っていたものも、その獰猛さゆえ迫
害されていった。1933年、最後に捕獲された個体には、ベンジャミ
ンという名が付けられていた。1960年に最後の目撃例。極めて良質
のDNAが抽出されており、クローニングが検討されていた。
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2005年 2月、DNAの劣化著しくいったんクローニングは断念される
が同年 5月、再チャレンジが宣言される。技術の発展に負うところが
大きい。なお、タスマニアではなく本土での目撃例が報告され初めて
いる。ベンジャミンは1936年9月7日、当番の飼育係が小屋に入れ忘
れたために野ざらしとなり死亡。「タスマニア・タイガー」と「ベン
ジャミン」という名前はよく知られているが、ベンジャミンが本当は
メスであったことは、あまり知られていない。