漫才 もしも時間停止ができたら
ツッコミ
「ベタな質問やけどお前がもし時間を止められる装置を手に入れたらどんな使い方をすると思う?」
ボケ
「ほんまに驚く程にベタな質問やな」
ツッコミ
「まあそうなんやけど聞いてみたいのよ」
ボケ
「そうやな、俺は推しのいるアイドルグループの握手会に速攻で行くね」
ツッコミ
「ああ、わかるよ、男としては行きたくなるよな」
ボケ
「そして俺の推しと誰かが握手をした瞬間に時間を止める」
ツッコミ
「おお、いや、なに?」
ボケ
「時間を止めたらその握手している男をどかして自分が握手をする」
ツッコミ
「はっ?そんなに手の込んだ事せんでも普通に時間を止めて推しと握手したらいいやん」
ボケ
「アホか、それやったら推しの子は握手をしてるって気持ちになってないやろうが」
ツッコミ
「なんやて?握手してる気持ちになってないってなんや?」
ボケ
「だから推しの子が私は今ファンの人と握手をしているんだって気持ちになってない時に握手しても意味がないやろ」
ツッコミ
「別に意味はあるやろ」
ボケ
「それじゃ気持ちが全く伝わらないやろ」
ツッコミ
「いや、時間止まってるんやから関係ないやん」
ボケ
「時間が止まってても目の前の推しの子の心はちゃんと存在してるんやぞ」
ツッコミ
「なに?まあええわ、それでどうするの?」
ボケ
「ずっと気の済むまで何時間でも握手を堪能する」
ツッコミ
「何時間も握手するんか、だったら胸でも触ったりした方がいいんやないんか?」
ボケ
「だから、その推しの子は胸を触られてるって気持ちになってないやろ」
ツッコミ
「まあなってはないやろうけど触ればいいやんか、せっかくやし」
ボケ
「だ、か、ら、その気持ちになってない推しの子の胸触っても意味がないって言ってるやろ」
ツッコミ
「だ、か、ら、意味はあるやろ、触れるんやから」
ボケ
「意味ない、気持ちのない事をした瞬間に推しの子はただの人形と変わらん事なるやろ」
ツッコミ
「おお、なんかほんの少しだけ分かって来たような気がしてきたわ」
ボケ
「やろうが、そして握手を堪能しまくったら全てを元に戻して時間を動かす」
ツッコミ
「ああ、先に握手していたファンの人を元に戻すんやな」
ボケ
「そして次の人が推しの子に自己紹介を始めた瞬間にまた時間を止める」
ツッコミ
「CDを買った枚数分だけ話せるやつな」
ボケ
「そうや、その人をどかして自己紹介をずっとする」
ツッコミ
「自己紹介を?」
ボケ
「推しの子はファンの自己紹介を聞こうとする気持ちになってるから自己紹介をしたいだけする」
ツッコミ
「まあ、俺はやらんけど気持ちはわからんでもないかな」
ボケ
「やろ、アルバムとか見せながら生まれた時から今に至るまでの話を気の済むまでする」
ツッコミ
「それは確かに時間が止まってて正解やな、本当に聞かされてたら推しの子は地獄でしかないからな」
ボケ
「気がするんだら元に戻して次は他のファンが推しの子とチェキを撮る瞬間に時間を止める」
ツッコミ
「待て待て、さっきのまでは分からんでもないけど、それでツーショの写真撮るだけなら時間止めんでも普通にCD買って撮ってもらえよ」
ボケ
「いや、CDを買う気はない」
ツッコミ
「なんやそれ、普通推しの子が居たらCD買うやろ」
ボケ
「俺は推しの子は大好きやけど歌には全く興味がない」
ツッコミ
「はあ、興味があるとか無いとかやなくて普通買うもんやろ」
ボケ
「いや、アイドルグループのCD買う金があったら俺は売れない為に限界まで小さなビキニを着てプールで浮き輪に乗ったりしてるグラビアアイドルのDVDを買う」
ツッコミ
「なんやと、それに気持ちの繋がりとか全く関係ないやろ」
ボケ
「それで良い、そっちは身体だけが目的やから全く問題ない、コマ送りで穴が開くほど見る」
ツッコミ
「なんかわかるようでやっぱり全然わからんわ」
ボケ
「アホか、男はみんなそんなもんやぞ」
ツッコミ
「そんなややっこしいヤツが他におるか、やめさせてもらうわ」