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第一章 貴女と私で新しい世界へ 2

「え‥?」


私がきょとんとしていると、アリアナは笑顔のままで

『私ね、100回もこの旅経験してるじゃない?

ステータスとかレベルとかは勿論毎回リセットされちゃうんだけど、巫女レベルっていうのは引き継がれるみたいで、それが今回100になってカンストしたの。

そしたら魔法のところにね、『究極憑依術』ていうのが増えてたのよ!効果は‥かみさまを自分自身の身体に憑依させることができる。って書いてあるわ』

と言い放った。

「え‥え‥?」

『もうっ。意外とかみさまって鈍いのねっ!だから、かみさまが私の身体に憑依して、アリアナとして一緒に旅が出来るってことよ!』


何だか心なしか私の記憶のアリアナよりも、ちょっと気が強い‥ような?気のせいかしら‥

という気持ちがそれはもう全面に顔に出てたみたいで、アリアナはクスクス笑いだした。


『だってかみさまがいつもこんな感じで話しかけてくるから‥いつの間にか色んなこと覚えちゃったのよ!

何だったかしら‥「ステフリミスったぁぁ!!」とか「何なのこいつら本当死ねばいいのに」とか「アリアナたんマジ天使」とか「ウィル様イケメン結婚し‥」』

「わあああああああああああああ!!もうわかったから!!もういいからぁぁぁぁ!!!!」


私の天使、アリアナたんが私の独り言達をどんどん羅列していくものだから、思わず大声をあげて静止した。

それはもう全力で。


ドンドンッ!!!


「うるせえ!!」

すぐに、隣の超短気なおじさんが壁を叩いてくる。


『全くうるさいのはどっちなのかしらね。近くのマダムん家の一晩中吠えてる犬とどっこいどっこいだわ。二酸化炭素を吐き出す量を考えたら、ワンコより有害ね。

少しでも無害に近づけるように光合成の特訓でもしたらどうかしら』

「アリアナたんそこまでぇぇ!!!」


一字一句漏らさぬ私の過去の呟きのコピーにいたたまれなくなり、叫び声をまたひとつ生み出してしまった。


あ、やばい。

気づいたときにはもう遅く、隣の家のドアが乱暴に閉められた音がする。


その瞬間。


ピンポンピンポピンポピンピンピピピ‥‥

もはや連打され過ぎて、最後まで鳴らせて貰えない悲しいピンポン音が部屋中に響き渡った。


あのおじさん説教長いんだよな‥やだな‥。

そう思いながらドアをあけに行こうとした私に、アリアナたんがしっかりした口調で問いかけてくる。


『さて、かみさまどうする?

私といっしょに来る?それともこのままおじさんと無駄な時間を過ごすの?さあ、どっち?』


‥大好きなアリアナたんから突きつけられたそんな2択、もう迷うまでもないでしょうよ。

ていうか二時間コースのおじさんの説教聞くのなんて絶対にいやだし。。

「わかった!!行くわっ!!行くから早く連れてってよぉぉぉ!!!」


『よしよし、たいへんよくできました』

アリアナからいただいたありがたーい褒め言葉が頭に響いた刹那、私は真っ白な空間にいて、隣には見慣れた女の子の姿が。それと同時にどんどん意識が遠退いていく。


『では始めるわよ?究極憑依術ー!!』


アリアナたんを生で見ることが出来た喜びと、おじさんの声がどんどん遠ざかっていくのを感じながら、私は完全に意識を手放したーーー。



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