プロローグ
始まる
2020年6月。
俺の名は芝神拓人。
彼女を作りたいが彼女がいない歴39年。
まぁ、彼女何て居なくていいやと思いながら日々を過ごしていた。
「あの、芝神さん!」
後ろから誰かが声を掛けた。
「ん?」
後ろを振り向くとそこには同じ部所の田嶋琴葉が立っていた。
「どうしたんだ?」
俺は片手をポケットに入れながら聞いた。
「あの、わたしと付き合ってください!」
田嶋はそう俺に言った。
「えっ?」
俺は少し驚いていた。
「あの、今から行きつけのお店で私とお食事しませんか?」
田嶋はそう俺に言った。
「別に構わないが」
そう言って俺は片手をポケットに入れたまま歩き始めた。
その時。
「きゃああああ!」
前から何か悲鳴が聞こえた。
前を見るとそこにはナイフを持った女性が狂ったように走り出して田嶋にナイフで刺し殺そうとした。
俺は田嶋を庇うために体を盾にした。
「っぐ!」
深くナイフが突き刺さり俺は痛みを耐えながら地面に膝を着いた。
「まさか、この俺が・・・・誰かを・・・・好きになれずに・・・・ゲームオーバーに・・・・なるとはな」
そう言って俺は目を閉じた。
ーーー???ーーー
暗闇の中俺の体は不思議な感覚を感じていた。
目を開けると俺の周りにはクリスタルやダイヤモンドや草木が生えた場所で眠っていたみたいだ。
ふと俺の体を見ると鱗の様な物が生えていてそして何より目線が高く感じられた。
「どうなってんだ?」
俺はそう言ってふと湖の中の水で自分の姿を見た。
するとそこには白銀の竜が立っていた。
「まさか、これが俺なのか!!?」
そう言って俺は驚いていた。
これから始まる物語に俺は驚きが隠せなかった。
次回へ