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並行世界☆みるふぃーゆ

作者: 愛野ニナ




 どこまで行っても交わらない、パラレルなセカイ。

 貴方が存在している世界、

 でもそこに「私」は存在しない。




 最初から「私」などいなかった。

 世界の層が違う。

 とにかく次元が違う。

 だから貴方とは出会ってもいないの。

 ...

 たとえば、

 となりあった世界はよく似ているかもしれないし

 いくつかの共通部分もあるかもしれないけれど、

 層が違えば、

 そこは異世界。




 セカイはまるでミルフィーユ。

 いくつもの層が重なりあっている。

 重なりあってはいても、決して交わることはない。

 層と層はパラレルだから。

 認識できなければ、その世界は「無い」のと同じ。




 でも実は、私は見えてしまう。

 その、セカイの層が。

 蜃気楼のように、常にいくつもの世界が重なって見えている。

 ...なんて言っても、きっと誰も信じないと思うけど。

 私は、セカイの綻びの部分、つまり「次元の歪み」のような部分を通り抜けて、セカイを渡ることができる。

 本来なら関わりあうはずのない世界から世界へと漂流している。



 

 理由はある。

 もう滅びてしまったけれど

 わたしが属していた「はじまりのセカイ」からの契約と使命、

 そして『探し物』があるから。




 ただ私は、ひとつの同じ世界には長くは留まれない。

 ほんの時折、世界の層が違う人と、心が通じ合えたような気がしても、

 それはすれちがう幻影のようなもの。

 世界を渡る能力の代償は、

 途方もない孤独と計り知れない違和感。



 

 私には属する世界が無い。

 どこにいても異質な、世界の異分子。

 世界は私を排除しようとする。

 セカイが「私」を殺す。

 そして、私は次の世界へと渡る。

 そろそろまた、

 その時が来たようです。

 …

 願わくば、

 次に行く世界が、

 今よりほんの少しでいいから生きやすい世界でありますように。




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