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決戦前夜! 魔王も、全能神も、準備万端!

本日も息抜き投稿してみました。

読者の皆様に、楽しんで読んでいただけると幸いです。

 あの日から、魔王である黒夜は、魔王の威厳を残した手紙を書き幾度となく書き続けた。

 そして、ついに手紙を完成させる。だが、そこからが大変だった。

 まず始めに、黒夜は手紙を渡すための最高のシチュエーションを考える。


 ――――半年後のクルシエム王国の国境防衛線、ここなら全能神さんに合法的に会えるじゃないか!?

 よしよし! この日に、ピクニックへと誘うとして・・・・・・問題はシチュエーションだ。


 まず、条件はこうだ。

 一つ、全能神さんの記憶に残ること。

 二つ、魔王の威厳を感じさせること。

 三つ、スムーズに手紙を渡すこと。


 ふむ、最低条件としてはこれくらいか。


 よし、それじゃあ考えていくとしよう。


 まず、記憶に残るような出来事の共通点とは何なのか?

 それは、インパクトだ! これがないと、人の記憶は直ぐに忘れてしまう。


 例えば――――。


 アニメでさらっと殺される敵キャラと、主人公のライバルで敵対していたが最後は主人公を庇って死んでいく。この二つだと、明らかに違う!! 前者と後者なら確実に、後者が印象的だ!!

 つまり、このことから! シチュエーション次第では印象的で記憶に残りやすくなるのは明白。


 それでは、次にインパクトのあるシチュエーションを考えてみよう。


 ふむ、まずはそうだな――――。


 目の前で死にそうな状態というのは、些かテンプレな気もするが印象的でいいかもしれん。

 その他だと、やはり流星群の降る戦場の真ん中というのは印象的だな。

 特に星が降るっていうのは、幻想的だし全能神さんも喜んでくれそうな気がする。

 

 この二つから考えるか・・・・・・やはり、もう一つくらいは考えておくか。


 そうだな、この二つ以外となると――――ハッ!?

 そうか、その手があったか!! フッ、フッ、フハハハハハハハハハハハハ!!


 流石としか言いようがないな。これぞ、魔王の頭脳が生み出した――――最高のシチュエーションだ!!


 まずは、世界に夜を召喚する! そして空には一面の星! そこで、流星群による幻想的な雰囲気を作りつつ敵を殲滅! そして、俺は魔力枯渇で死にかけるところ寸前まで魔力を使い、瀕死の状態を演出! ここで、威厳ある魔王の手紙を仕込んだお弁当箱を渡す! これぞ、インパクトのある最高のシチュエーションじゃないだろうか。


 やべぇ、俺天才かもしれない。まさか、思いついた全てのシチュエーションをくっつけるなど誰も思いつかん!! これなら、全能神さんも体験したことのないシチュエーションでピクニックへ誘うことができる!


 そうと決まれば、まずは瀕死の状態で手紙を渡す練習からだ! それが終わったら、全能神さんが喜ぶお弁当作りの練習をしよう! よし、そうと決まればやってみせる!!



 ――――クルシエム王国の国境防衛線、前日。


「つ、ついに、完成した。これぞ、俺が長い月日を掛けて調べ上げた全能神さんの大好物弁当だ!! ハンバーグに、唐揚げ、卵焼きは甘め、ウインナーは勿論タコさん。そして極めつけは、このご飯につけた仕掛け!! いわゆる、キャラ弁と言うやつを作ってみた!! モデルは勿論、俺と全能神さんだ!! これで、弁当箱と一緒に手紙を渡せば完璧だ」


 黒夜が作った弁当は、この半年でプロが泣いて逃げ出すレベルへと到達しており、キャラ弁の出来前も本物と遜色ないレベルで再現していた。

 これも全て、超絶怒涛の最強魔王セットのスキルによる恩恵である。


 こうして、魔王は明日への準備を完璧に整えた。


 一方、その頃――――全能神は・・・・・・・自室にて数十万回目の気絶を迎える。


「あぁ~!! もう、時間がないよ~!? まだ、半径一メートル以内での会話が完璧じゃないのに!! このままじゃ、五分も絶たずに会話終了だよ!」


 全能神である夕夏は、半年間の修行により・・・魔王の半径一メートル以内でも五分間だけなら気絶せずに居られるようになっていた。

 そして、現在進行形で五分間きっちりと会話出来るように練習をしていたわけだが・・・・・・目を合わせると気絶し、距離が一センチでも超えると気絶し、声を聞くと気絶し、自分のセリフで気絶するといった、悲惨な状況を生み出し続けている。


「くぅ~、魔王さんめ! これは、私のコミュ力が低いのでは無く!! 単純に、魔王さんがカッコ良すぎるのが悪いと思う!!」


 清々しいまでの、責任転嫁である。

 もはや、問題を自分では無く魔王へと押し付け始めるが――――彼女の口から出てくるのは、聞いてるこちらが恥ずかしくなりそうなほどの魔王への熱い想いを語った只の惚気話だった。


「そもそも、魔王さんが・・・・・・黒髪で赤メッシュとか、反則だよね。カッコ良すぎて、私なんて見るたびにキュン死しそうだもん。それに加え、微笑んだときのあの優しい笑顔! 戦うときの冷たい笑み! 更に、あの絶妙な体つき! ・・・・・・私の好きな要素しかないじゃないですか!?」


 逆ギレ――――もはや、自分で惚気けて自分で怒るという異常な事態へと発展し始める。

 ピクニックへ行く前に、精神病院へ行けと思うが、流石は全能神。直ぐに、冷静さを取り戻す。


「とりあえず、明日のクルシエム王国の国境防衛線では必ず! 魔王さんと、ピクニックへ行く約束をしてみせる!! その為の、シチュエーションも完璧! まずは、辺り一面を綺麗なお花たちで覆うの! 晴れやかな気分を抱いてもらったところで、お天気を春のポカポカとした状態へと変える!! これにより、気持ちいい日差しを浴びながら、魔王さんと二人で落ち着いた会話を楽しみつつピクニックへと誘う!! 流石としか言いようがありません。この作戦、完璧すぎます」


 こうして、全能神は完璧な準備を整え眠りについた。


 明日、魔王と全能神はピクニックの約束を交わすことが出来るのか・・・・・・。

読んでいただきありがとうございます。

これからも、さつきクロトの作品を宜しくお願いします!

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