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魔王と全能神は、出かけたい!

こんにちは~!

とりあえず、流れで書いて見ました!

気が向いた方は読んでみてください!

 全能神に手を掴まれた日から、約一ヶ月が過ぎた頃。

 魔王は漸く精神を立て直すことに成功し、自室にて深く頭を悩ませていた。


 ――――恋人はダメでも、友達にはなれるんじゃないだろうかと思うんだよな。

 てことで、色々と方法を考えてみたんだが――――。


 まず第一の作戦は、自然な感じでピクニックへ誘うだ! だが、いざ誘うにしても、それ相応のシチュエーションを整えなくてはならない。何せ、あの超絶美少女な全能神さんだ。きっと数多くの男から、ありとあらゆるシチュエーションでお誘いを受けているに違いない。

 つまり、それらのお誘いに負けないインパクトが大事だ。


 例えば――――。


 流星群が降る焼け焦げた戦場、その中心にて彼女と向かい合う。

 そして、花束と共に彼女の手の甲へと口づけを交わしピクニックへ誘う。


 いや、これは無理だな。


 手の甲にチューなど、俺にはレベルが高すぎて無理! いや、出来るならしたいけどな!

 だが、それで・・・・・・「魔王さん、不潔です。そんな人だとは思いませんでした。幻滅です――――さようなら」・・・・・・とか言われたら、俺死んじゃうよ?

 魔王、絶望のあまり引きこもりになっちゃう。

 まぁ、元々引きこもりだったんだけど


 それに、問題はまだある。

 ピクニックへ誘うのに、花束はおかしいかもしれないという事だ。

 やはり、ここは花束よりお弁当箱を渡すべきか?


 だが! もしそれで、家事のできない男だと思われたら・・・・・・「今時、料理もできないなんて――――幻滅です、魔王さん」・・・・・・嫌だァァァ!!

 そんな事には耐えられない!! やはり、ここは俺の家事力をアピールしておくべきだ。


 つまり、今の作戦をまとめると。


 流星群の降る焼け焦げた戦場で彼女と向かい合い、そこですかさず俺の渾身の手作り弁当を出し、こう言うんだ――――「これ、つまらないものですが。良かったら、どうぞ。今度ピクニックでもどうでしょうか」と!


 完璧だ、完璧すぎるぞ。流石、最強の魔王だな。俺に出来ないことなど存在しないのだ! フハハハハハハハ!! ハッ!? 待てよ、これでは・・・・・・魔王としての威厳が無いじゃないか!!


 こんなことを世間に噂されれば、俺の魔王としての威厳が崩れ去ってしまう。

 だがしかし、全能神さんと何としてでも出かけたい!!


 どうすればいいんだ・・・・・・。


 このままでは、俺は一生かけても全能神さんと出かける事が出来ない。

 考えるしかない、魔王の威厳を崩さずにピクニックへと誘う作戦を!!


 何がダメで、何が良いのかをまずは纏めよう。


 流星群は、よく考えると周囲に与える被害が大きいな――――これは、駄目だな。

 代用案として、戦場に振らす流星群は幻影にするか!

 これなら、周りに被害を与えず幻想的な雰囲気と魔王の威厳が出せる!


 よし、シチュエーションはこれで良いとして・・・・・・次は、どうやって誘うかだ。

 

 ここがイマイチだと、全能神さんの気分を害するかもしれない。

 つまり、このアプローチこそが最強の難関なわけだ!

 だが、最強の難関というだけあって、この魔王の力を以てしても臆してしまう。


「クッ・・・・・・俺はここまでなのか」


 俺の力は、この程度なのか? 思い出せ、俺が何者なのかを――――そうだ、俺は最強の魔王で、全てに打ち勝つ男だ。

 ならば、この戦いも乗り越えて見せる。


 アプローチ方法は、やはり男らしさを見せるべきだな。

 つまり、いつも通り魔王らしく振舞えば男らしさは抜群のはずだ。


 だが、待てよ!? 前に一度だけ、人間の集落が反魔王勢力に襲われていて助けたことがあった。その時、彼らは俺を怯えたような表情で見ていた気がする。つまり、全能神さんも怖がる危険性がある!! これは、不味いぞ。俺は、魔王モードでなければ全能神さんと目を合わせて会話が出来ない。


 詰んでるじゃん――――会話が出来ないなど! クソッたれぇ!! 何故、魔王スキルに『全種族完全対応コミュニケーション能力』が入ってないんだァァァァ!!


「ふぅぅぅ・・・・・・俺よ、一度冷静になるんだ」


 よく考えろ俺、話せずとも言葉を伝える方法は幾らでもあるじゃないか。

 例えば、手紙。

 これは、言葉で伝えられない恥ずかしい想いを気兼ねなく書けるという利点がある。


 だが、魔王がただ手紙を書いて渡したとなると、魔王の威厳が無くなってしまう!!

 つまり、魔王の威厳を残しつつ手紙を書くことが出来れば完璧だ。


 よし、さっそく実行しよう。


 この後、魔王は一週間不眠不休で手紙を書き続けた。



 一方、その頃。

 世界最大の王国に存在する自宅の寝室にて、全能神は悶えていた。

 この前の記憶を、何度も再生しては顔を真っ赤に染めてベットの上を転がり回る。

 それを毎日繰り返し続けていたら、あっという間に一ヶ月が過ぎていた。


「魔王さんに、会いたい」


 ついに、全能神は悶えることを止め強く決意する。


「でも、突然会いに行ったりしたら迷惑だよね? だから、会っても不自然じゃない様に作戦を考えなくちゃ!」


 ――――とりあえず、私は魔族の人から良く思われていないはずだから魔界には行っちゃ駄目だよね? いや、いずれお付き合いし始めたら行かなくちゃいけないんだけど・・・・・・って! 付き合うなんて、まだまだ先だよ!


 そう言えば魔王さん、この前はピクニックに来たって言ってたなぁ~。

 もし二人で、ピクニック出来たら――――。


『なあ、夕夏。お前の作ったものは最高に旨いな。もし良かったら、これから毎日俺にご飯を作ってくれないか?』


『そ、それって――――』


『ああ。結婚しよう』


 ――――キャァァァァァァ!! 最高だよ、そのシチュエーション!! あの、魔王さんと結婚とか・・・・・・私、萌え死んじゃうよ~!!


 私は、あまりの興奮で再びベットの上を転がり回る。


 ハッ!? どうやって、ピクニックに誘えばいいんだろう・・・・・・。

 ここにきて、重大な問題が発覚しちゃったよ!!

 私達、まともに会えないし、私は会ったとしても喋れないし、マジピンチだよ!?


 確か、魔王さんと合法的に会えるのは、半年後のクルシエム王国の国境防衛線の時だったはず!

 そうと決まれば、しっかりお話しできるように練習しないと!!


 「全能神スキル発動! 『想像再現』」


 想像再現――――その名の通り、自身が想像したものを実際に生み出すという能力。


 夕夏は、この能力により魔王を再現する。

 目の前に現れた魔王を見て、夕夏は――――。


「・・・・・・ふにゃ~」


 赤を真っ赤に染め、気絶した。そして数分後、夕夏は目を覚ます。だが、魔王を見て気絶する。


 そんなことを、約三か月ほど繰り返した全能神の夕夏は――――。


「漸く、魔王さんにも慣れてきました」


 魔王との距離が半径一メートル以上空いた状態ならば、五分間だけは気絶しなくなっていた。

 

「これで、私も魔王さんと会話が・・・・・・かい、わ?」


 自身の言葉に時が止まる。夕夏は、瞬時にその難易度の高さを理解してしまい絶望に打ちひしがれる。

 ――――無理だよ~! 会話なんて、いきなり難易度高すぎるよ!? あんなに、強くてカッコイイ魔王さんに話しかけるなんて不可能だよ!! うぅ~、何で全能神のスキルには『全種族完全対応コミュニケーション能力』が入ってないの!? 意味わかんないよ!


「会話できないなんて、やだやだやだやだやだやだー!! こうなったら――――話せるように特訓するもん!」


 その日から、魔王との会話練習を再現魔法にて行うが――――結果、毎日数えきれないほど気絶することになった。


「「ああ~、とりあえず友達になりたい!!」」

読んで頂きありがとうございました。

この作品は、作者の息抜きと勢いで書いております。

行進も不定期になりますが、それでも読んで頂けると嬉しい限りです。


それでは、また!

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