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骨董屋で魔法の杖を手に入れた  作者: 鬼頭 甚兵衛
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始めての魔法

          第二章 魔法


 僕は、骨董屋から自宅に帰った。僕の家族は、両親と妹の四人暮らしだ。自宅に帰るなり、僕の部屋に急いで入った。僕は、机の上に魔法の杖を置き部屋着に着替えた。


「どんな魔法がいいかな?」

もう、僕の頭の中は魔法の事でいっぱいだった。

「ゲームの世界だと攻撃系の魔法だけど、今の世の中で攻撃系の魔法がいるだろうか?」


 魔法を決めたら、契約書の魔法の欄に記入するだけで使えるようになると書かれている。本当に、胡散臭い契約書だなと思っていた。


「う~ん。例えば、物を自由に動かせる魔法。人を好きに操作出来る魔法。あとは、何処にでも瞬間移動が出来る魔法。」


 僕は、あれこれと考えていたが中々にまとまらない。一度、決めてしまえば変更が出来ないから慎重に決めないといけなかった。


「お兄ちゃん、何してるの?」

僕の可愛い妹が入ってきた。

「ほのか、もし魔法が使えるならどんなのがいい?」

何か、ヒントが出ればいいけどな?

「ほのかだったら、動物さんとお話が出来る魔法。」

なるほど、女の子らしい答えだ。


 僕は、妹の答えを真剣に考えた。例えば動物と話せたら、どんなことが可能だろうか?猫や犬に、何かを拾わせる?カラスや雀に、何かを探させる?以外と便利かもって思っていた。


 この時の僕は、この先に激しいバトルに巻き込まれるとは想像すらしていなかった。わかっていたら、強力な攻撃魔法にしたのだが。


「ほのか、他には何か思いつく?」

ほのかは、僕のベットに座りおやつを食べている。

「う~ん。そうだ、好きなだけ食べ物を出せる魔法。」

食いしん坊の妹らしい答えだ。

「確かに、それも便利だな。」


 僕の妹は、想像力が豊かだ。確かに、好きな食べ物を出せたら便利だ。高級食材や、海外の手に入れる事が困難なお菓子など自由に出せたら面白い。


「お兄ちゃんは、魔法が使えたら何をしたいの?」

そうだ、まずは何のために魔法を使うかを考えないと。

「そうだな~。」


 僕は、もともと欲深い訳でもなく平凡に毎日を過ごせたらいいと思っている。争い事も嫌いだし、人と競い会うことも大っ嫌いだ。


「よし、決めた。」

僕は、ほのかが部屋を出て行ったのを確認してから契約書を取り出した。

「やっぱり、面倒くさがりの僕はこれが一番いい。」

契約書の魔法の欄に書いたのは、

「見えない、マジックハンド。」


 僕は、契約書を書いた。すると、契約書の一番上に描かれている魔方陣が光だした。それに、呼応するかのように魔法の杖も光だした。


「これで、契約は終了って事なのかな?」

でも、使い方がわからない?どうすれば、使えるんだろう?と、思っていたら、

「またか?」

始まった、また頭の中に声がする。


「無事に契約は出来たみたいだな?」

あの胡散臭い老人が現れた。

「ああ。でも、どうやって使ったらいい?」

杖をフリフリさせていた。

「こら!もう少し丁寧に扱わないか!」 

怒られてしまった。


「杖を使いたい方向に向け、魔法の名前を言えば発動するぞ。」

それを聞いた僕は試してみることにした。

「マジックハンド」

すると、杖の前に透明な右手が現れた。

「何だ?浮いているだけ?動かない?」


僕は、杖を色々と動かしてみたがやっぱり動かない。

「どうすればいい?」

と、老人に訪ねたが

「わしに、分かるわけはないやろ。お主が作った魔法なんだぞ。」


 僕は、困ってしまった。どうやって、このマジックハンドを使えばいいのかわからない。この魔法は、失敗作かなと思っていた。


「う~ん。」

悩みながら、僕は右手で頭を掻いていた。

「えっ?動いた?」

僕の右手と、マジックハンドは全く同じ動きをしている。

「なるほど、そういうことか。僕の手と共鳴しているんだ。」

僕は、右手を色々と動かしてみた。

「やっぱり。」

すると、右手のマジックハンドも同じ動きをしている。


 僕の目の前から老人は消え、いつもの僕の部屋に戻った。僕が作った魔法の使い方もわかったし、明日から使う機会があれば試してみたいな。


「さぁ、今日はもう寝るか。」

僕は、杖と契約書を鍵の掛かる引き出しに直し、布団に潜った。明日から、大変なことが起きるとも知らずに眠りについた。

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