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時間稼ぎ

――――――


「リリィ怪我だけには気をつけてくれよ? キミが傷付くとナズナが悲しむだろうからね……」

 ジニアはリリィに一瞬だけ視線を向けそう言うと、リリィを守るようにローランへと向かって駆け出した。

「……ジニア……ありがとう。でも私もナズナやジニアの役に立ちたい。本当は凄く怖いけどナズナとジニアの為だったら頑張れる。だから……」

 リリィは一瞬だけ驚いた表情をした後、既にローランへと向かっているジニアに対し、微笑みを向け眼を瞑り詠唱を始めた。

「……水晶眼の魔女リリィが命じる。我に仇なす敵を燃やし尽くせ…………『インフェルノ』」

 詠唱の言葉自体はいつもナズナ達に掛けている魔法と同じような長さだったが、魔法名を言うまで若干時間を要しているようだった。それだけ集中力が必要な魔法だったのだろう。

 リリィの持つ杖から放たれた大きな炎の塊は真っ直ぐローランへと向かって行った。

「うわぁ! いやいや……俺も巻き込むつもりかよ……」

 ジニアは後ろから迫って来る炎の塊に驚き、慌てて進路を変更して炎の塊をやり過ごした。その直後炎の塊はローランの元へと辿り着きその瞬間、けたたましい音と共に爆発した。

 その爆発によって辺りは砂埃が舞い、誰の姿も見えなくなっていた。ただ一つだけ分かったのは今の一撃を受けて尚、ローランは生きているという事だけだった。

慌ててリリィの魔法を避けたジニアも爆風には巻き込まれてしまったようで、リリィのすぐ傍まで転がって来ていた。

「ひっ!? 何だジニアか大丈夫? そんな所に転がってないで戦ってよ」

 急に足元に人間が転がってくれば誰でも驚くだろう。リリィは短い悲鳴を上げると転がって来た人がジニアである事に気が付き呆れたようにそう言った。

「……いててて……いやいやいくら何でも滅茶苦茶過ぎるだろう? よくこんなんで今まで無事だったな」

 ジニアは掠り傷ではあるが、身体中至る所に切り傷が見受けられた。

「しょうがないな……ナズナはいつも避けるよこれくらい……水晶眼の魔女リリィが命じる。かのものを癒せ……『ヒール』」

 リリィは呆れた表情のままジニアにそっと手を翳すと詠唱を始めた。

「……!? これは……驚いた。こんなにも簡単に傷が癒えるとは……」

 話とかには聞いていたとしても実際に回復魔法を使われたのは初めてだったのだろう。自分の身体を見回しながらかなり驚いた表情をしている。

「さぁさぁ、もう少しだけ時間を稼ぐよ? 何時までも待っててくれるほど敵さんは優しくないよ?」

 リリィはそう言うと目前まで迫っていたローランの腕を結界のようなもので弾き返した。

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