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ナズナの秘密兵器

―――「ギャィーン」―――


 ローランが振り下ろした腕を受け止めるようにナズナとジニアは武器で防いだ。今の一撃でローランの力の強さが分かったのだろう。一度攻める事を辞め、二人は少し間を空けた。

「硬すぎるだろ……あれじゃまるで鉱石か何かと変わらないぞ?」

「確かに硬いのもあるが、あの力の強さはまずいな、一撃でもくらったらそのままお仇物だぞ?」

 ナズナとジニアは方針を決めると互いに頷き二手に分かれた。数の利を活かす作戦なのだろう。

「最初から全力で行かせてもらうぜ……神霍流刀一刀一ノ型『星羅雲布』……短剣一刀一ノ型『空花乱墜』……神霍流奥義『星花火』」

 今回の戦いでは本気を出さなければ負けるかも知れないと何処かで予感していたのだろう。始めからナズナは刀と短剣の二刀流でローランとに戦いに挑んでいた。

「俺も負けていられないな……神器解放『氷と炎の狂想曲』」

 ジニアもナズナと同じように最初から全力で行く事にしていたのか、出し惜しみをする事無くローランに技を放った。

 流石に化け物と化したローランでも、ナズナとジニアが放つ剣技を同時に受けてはひとたまりも無いだろう。

『グハハハ……ヌルイヌルスギルゾ……ソレデモキサマラキシカ?』

 正直な話始めから嫌な予感はしていたのだろう。ナズナもジニアも剣技を放った後、一瞬も油断する事無く、ローランから眼を離す事はしなかった。恐らく自分達の剣技がローランに届かない事は薄々気が付いていたのだろう。

「……」

「……」

 二人は驚く事は無かったが、自分達が放てる最高峰の剣技をこうも易々と受け止められると流石に悔しいんだろう。二人とも口元と手をきつく締めていた。

「……これは思った以上にきついな……リリィ」

 ナズナは気持ちを切り替える為、大きく深呼吸をした後リリィに声を掛けた。

「うん? どうしたのナズナ? まさか勝てないとか言わないよね?」

 こんな状況でも相変わらずな様子のリリィは少しナズナを馬鹿にするようにそう言った。

「まさか……ただ無傷とはいかないかも知れないな……そこでだ。少しだけで良いからジニアと一緒に時間を稼いでくれないか? 試したい事がある」

 ナズナはそう言うと、刀と短剣を鞘に納めて懐から何やら出し始めた。

「? それは何だ? ナズナ」

 戦いの最中だというのにこのように会話を続けられるのは、この三人がおかしいのかそれとも余裕がある故なのか。

「まぁ、見てのお楽しみって事で、五分だけで構わない時間を稼いでくれ」

 ナズナはそう言うと、その場に座り込んでしまった。

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