強くなる為に……
「それはですね……アーロゲントの方はあなた方に対して人員を割いているせいで充分な人員を派遣出来そうに無いのですよ……まぁ、直接言われた訳では無いのですが……」
ミナトは困ったような表情を浮かべナズナにそう言った。
「何かすまないな……確かにそれなら俺らにも非があるからな……良いだろう……それで、俺達は戦争を止めれば良いのか?」
確かにそういう話なのだろうが、さも当たり前のようにナズナがそう言ったのでミナトは驚きを隠せないようだった。
「いえいえ……確かに原因はナズナ様達にあるとはいえ、どうしてそんなに簡単にそんな事を言えるんですか……」
驚くというよりは徐々に呆れた表情に変わっていった。
「正直な話どんなもんかは知らないが……何とかなるんじゃないか? リリィもいるし、俺だけでも何とかなるんじゃないか? それともそんなにエルフの国には強者がいるのか?」
ミナトがそんな事をいうくらいなら、相当な強者がいるじゃないかと考えたようで武者震いしていた。
「私も数人は知っていますが……確かに今のナズナ様よりも腕の立つ者はいます……ですがもう何十年も前の話です」
思い返すように天井を見上げながら、ミナトはナズナにそう言った。
「今の俺よりも強い奴が……兄上や父上以外にもいるとは……どうしたら俺は今よりももっと強くなれる?」
強くなる事に対し貪欲なナズナは身を乗り出すようにミナトにそう尋ねた。
「……分かりました。ナズナ様が望むのであれば我が家に伝わる秘術をお教えしましょう……ただ体得出来るかどうかはナズナ様次第です……リリィ様は如何なさいますか?」
ナズナの思いを汲んでかミナトは悩む様子も無くそう言った後、リリィの方に視線を向けた。
「……私は……うんうん……私ももっと強くなりたいです! ナズナに守られるだけではなく、私もナズナを守れる事が出来るくらい強く……」
リリィは一瞬だけ悩んだような表情をした後、覚悟を決めたのかミナトの方を真っ直ぐ見てそう言った。
「分かりました……魔法に関しては私達にはお教えする事は出来ませんが、戦うにあたって私が知っている全てをお教え致しましょう」
リリィの覚悟をしっかりと受け止めミナトに教えられる全て教える事を約束した。
「まだ時間はあるんだな? 早速秘術を教えてくれ……必ず役に立つ事を約束しよう」
ナズナはそう言って、勢い良く立ち上がるとリリィとミナトに目配せをしてから大広間から出ていった。




