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不穏な動き

――――――


「それで、俺達に話があるんだろう? まぁ俺達もいくつか聞きたい事があるから、どちらからでも構わないのだが……と、それよりも言葉遣いは直した方が良いか?」

 一通り食事が終わると、そのタイミングでナズナがミナトにそう声を掛けた。

「……言葉遣いが特に気になさらなくても大丈夫ですよ? 別に公務という訳では無いのですから……私からのお話はナズナ様が父上から依頼された件についてサポートを出来ればというお話ですので……私がお話すればナズナ様の聞きたい事の回答にもなるでしょう」

 ミナトはそう言うと、隣にいた使用人に目配せをしてなにやら準備を始めた。

「父上から聞いているとは思いますが、補足のご説明させて頂きますね……父上からは私達の国を救って欲しいとの話だったと思うのですが、実は困った事にそれだけでは済まなくなりそうなんです」

 ミナトはかなり困っている様子で、そう言いながら頭を抱えていた。

「まずはこちらをご覧ください」

 そのタイミングで丁度先程ミナトの隣にいた使用人が帰って来て、机の上に何やら大きな紙を広げた。

「……まさかこの世界の地図、か?」

 ナズナは広がっていく紙を見てそう呟いた。

「正解です。流石ナズナ様ですね……世界地図をご存知とは御見それ致します」

 この世界はかなり大きく、様々な種族が暮らしている為、そもそもここまでちゃんとした世界地図を作る事は非常に困難であると考えられていた。

「……まさか実在していたとは……それでこれを見せる為にわざわざこんな貴重な物を出して来た訳では無いのだろう?」

 かなり驚いている様子のナズナだったが、こんな物まで用意した理由の方が気になったのだろう。ミナトにそう尋ねた。

「本当に何でもお見通しなのですね……ナズナ様のおっしゃる通り、この地図はこの世界に一枚しかありません。しかもこれは千年以上前の物です。それでこれをわざわざ用意した理由ですが、この国の北にあるエルフの国『アーノット』に何やら不穏な動きがありまして……恐らくはそう遠くない未来、戦争を仕掛けてくる可能性が高いのです」

 ミナトはナズナの知識の量に更に驚きながらそう言った後、ナズナ達にそう言った。

「……それは困ったな……でもどうしてそれを俺達に話して来たんだ? この国はアーロゲントの支配下。安全は保障されているだろう?」

 確かにナズナの言う通り、戦争に勝利したアーロゲントは人や魔女を借りる代わりに国の安全を保障する条約を結んでいた。

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