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三英雄

「ありがとうございます。では詳しく説明させて貰いますね……ナズナ殿ならもしかしたらご存知だと思いますが、ナズナ様のご両親『鬼神プラタナス』と『戦姫ルピナス』そしてアーロゲント現国王である『武帝ダリア』三人の英雄の話を……」

 ディアスはそう言いながら姿勢を正す為か、再度座り直してから話し始めた。

 そんなに長い話ではなかったが要約するとこんな感じだ。今から丁度二十年前、まだナズナが生まれる前の話だ。アーロゲントと東の国は何十年にも渡って戦争状態が続いていた。軍事力にはあまり大差が無く、ただ時間とお金だけが無駄に浪費されている状態が長く続いていた。そんな均衡状態の戦場に現れたのが今でも語り継がれている三英雄の話だ。

 『鬼神プラタナス』『戦姫ルピナス』『武帝ダリア』この三英雄によって十数年続いた戦争はアーロゲントの勝利で幕を降ろした。

 戦争に勝ったアーロゲントはというと当時の王であったダリア王の父、ハイドラはダリア王と違って奴隷を使う事や魔女を研究対象にするなど何処か冷たい心を持った王だった。戦争に勝利したというそれだけの理由で、東の国から数多くの人々を奴隷としてアーロゲントに連れ帰った。無論、東の国では普通の人間達と同様に生活をしていた魔女達も見境なく連れて来ていた。

 そんな風に連れて来られた中にリリィの姿もあったそうだ。ハイドラという名前が出た瞬間、一瞬だけではあったがリリィが身震いをしたのが見て取れた。

 ハイドラが王の座から退き、ダリア王が即位してからは数年が経つが、いくらダリア王が前国王ハイドラのような考えを否定していようとも、個人的な意見だけでどうこう出来るほど、国を背負う責任は軽くない。未だに、アーロゲントには奴隷商もあるし、リリィ達、魔女の研究も続いている。

 簡単に言うとその苦しみから人々を解放して欲しい、そう言う事のようだった。

「……なるほど、確かに俺は魔女の研究や奴隷には反対だ。だが、全ての人々を救えるとは到底考えられない。それが分かっているから俺はリリィだけしか助けてやる事が出来なかった。そんな俺に頼もうっていうのか?」

 ナズナは話を聞き終わると、やはり憤りを感じているのか、はたまた己の無力さに腹が立っているのか手をきつく握りしめながらそう言った。

「……その優しい想いがある貴方だからお願いしたいんですよ……そんなあなたならこの国を、いや世界だって変えられるはずです。どうでしょう? 頼まれてくれませんか?」

 ナズナなら助けられると確信しているようで、ナズナの眼を真っすぐに見てはっきりとそう言った。

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