ディアスの目的
「単刀直入に申し上げますとナズナ様達に私の国、いえ国の人々を救って欲しいのです……」
ナズナは何となくそんな気がしていたのだろう、特に驚いた様子は無かった。
「なるほど……それではお伺いしますが、それは私達にとって何のメリットがあるのですか?」
ディアスの言いたい事は分かるがただ救って欲しいというのは確かに虫のいい話かも知れない。
「そうですね……確かにこれといったメリットは無いかも知れません。ですが、私の故郷である『寵陽』の人々を救って貰えれば、私が貴方達を全力でサポートする事をお約束しましょう……と、それよりも普段通りの話し方で構いませんよ?」
ディアスは少し考える素振りをした後、少し困ったようにナズナにそう言った。
「……分かったそうさせて貰う……さて、どうしたものか……どう思うリリィ?」
ナズナはディアスにそう言われ少しだけ悩んだ後、普段の口調に戻した。ここに来てから殆ど会話に入って来なかったリリィだったが、恐らく魔女である事を隠すために敢えて話に入って来なかったのだろう、それをナズナは分かっていたようで、既にバレているディアスには気を遣う理由も無いのだろう。このタイミングでリリィにそう尋ねた。
「うーん。さっきも言ったようにこの人の事は信用しても大丈夫だよ……こんなに精霊に愛されている人初めて見たし……結論を出すのは詳しく事情を聞いてからでも遅くはないんじゃないかな?」
急に話を振られたリリィは少し驚きながらも、ディアスの方をというよりはディアスの周りを見ながらそう言った。
「精霊?」
ナズナにはゾディアックですら見る事が出来なかったのだから当然の事なのだが、リリィにはずっとディアスの周りにいる沢山の精霊達が見えていたようだった。
「流石はリリィ様ですね……これでもだいぶ抑えてはいるのですが……貴方ほどの魔力をお持ちの方となると流石に隠し通せませんか……」
ある程度予想はしていたのだろうが、ディアスはリリィにそう言われ少しだけバツの悪そうな表情をしていた。
「心配しなくても大丈夫ですよディアスさん。精霊が見える人は限られています。こんな膨大な力を持った精霊を出来れば知られたくないですよね……私達魔女のように戦争に利用何てされたら、間違い無くこの国が、いやこの世界が滅んでしまいます」
それほどまでの力だとは正直思っていなかったようで、ナズナはリリィの話を聞いてかなり驚いた表情をしている。
「……良いだろう。リリィがそう言うならまずは話を聞く事にしよう。では、詳しく聞かせて貰おうか?」
ナズナはそう言いながらリリィからディアスに視線を移した。




