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追う者と追われる者

//////////


―――同日同刻―――


 ジニアはナズナ達が魔女の研究施設から出ていって、しばらく経った後、早朝ではあったが玉座の間まで足を運んでいた。

「申し訳ありません。ダリア王、ローラン騎士団長。私がいながら力不足でイーヴァ様だけで無く、水晶眼の魔女まで……」

 ジニアは玉座の前に辿り着くと、普段よりも更に腰を低くし片膝を立てて敬礼をした。

「……顔を上げろ、ジニアよ……」

 ダリア王はイーヴァやリリィを失った事で渋い表情をしているというよりは、自分の甥っ子であるナズナが首謀者という事を聞いた為のようだった。

「ジニア程の腕の立つ者を意図も簡単に退けてしまうとは……にわかには信じられませんね……」

 ダリア王の隣に立っていた騎士団長ローランも首謀者がナズナと聞き、少なからず動揺している様子だった。

「返す言葉もございません……私の部下達はお許しください。責任は全て私が取ります。何なりと御命令下さい……」

 ジニアは更に腰を低くして頭を下げた。事情を知っているジニアではあったが、実力がナズナの方が上だったのは紛れもない事実。少なからず悔しい思いをしているだろう。

「……良かろう。お前には警備隊長の任を降りてもらう。そしてナズナをいや、反逆者と水晶眼の魔女を追え。反逆者は殺しても構わないが、水晶眼の魔女は必ず生きて連れて参れ」

 ダリア王はしばらく沈黙を貫いた後、意を決したように立ち上がりジニアにそう命令を下した。

「……はっ! 必ずやこのジニア。王の期待に応えましょう……」

 ジニアはそう言うと、すっと立ち上がり敬礼を一つすると、もう一度頭を下げて玉座の間を後にした。

「さて、ローランよ……此度の事そなたはどう考える?」

 ダリア王はジニアが玉座の間から出ていった事を確認すると、隣に立つローランにそう尋ねた。

「……どう、と申されましても……そうですね、彼には入学当初からどこか『危うさ』を感じではおりましたが、ジニアとイーヴァ殿を一人で相手にして生き残れる程の腕があるとは正直思えませんね……」

 ダリア王にそう問い掛けられたローランは少しだけ困ったようにそう答えた。

「やはり、お前もそう思うか……水晶眼の魔女が協力したか、はたまたジニアが協力したか……そのどちらかであろうな……」

 ダリア王もローランと同じ考えのようで、ナズナの本当の実力を把握していないようだった。

「ローラン、お前にも命令をする。ジニアをしばらくの間、監視しろ。不自然な行動があったらお前の判断で斬っても構わない。逆に疑惑が晴れたなら戻って来い」

 ダリアはローランにそう言うと、話は終わったようで玉座の間を後にした。

「はっ! かしこまりました……」

 敬礼をしてそう言ったローランの口元が緩んでいた事に、ローランに視線を移さず歩き出していたダリア王が気付く事は無かった。

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