果て無き荒野
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太陽も登りかけ、辺りは徐々に夜から朝へと切り替わりつつある中、ナズナ達は無事に王都から脱出する事に成功していた。
「さて、何も準備もせず旅立つ事になってしまったが……これからどうしようか……」
ナズナは三年近く生活をしてきた王都『アーロゲント』を見上げながら、少しだけ寂しそうにそう言った。
「ごめんね……私何かのせいで……」
ナズナな寂しそうな雰囲気を感じ取ったのか、少し離れた場所にいたリリィは伏し目がでそう言った。
「ったく、どうしてそうも悪い方にしか考えないんだ? そんなんじゃ楽しくないだろう? さっきも言ったが俺がここにいる事を選んだんだ。リリィが気にする事では無い」
ナズナは事ある毎に仕切りに謝って来るリリィを見て、呆れたようにそう言った。
「ご、ごめんなさっ……」
まるで反射のようにリリィはナズナにそう返し、慌てて口元を押さえた。
「はぁ……まぁ、良い極力『ごめん』何て言葉は使うな、もしどうしても何か伝えたいのなら『ありがとう』にしろ。その方が言われた方も気分が良い」
ナズナは一度大きく溜息を吐くと、リリィの眼を真っ直ぐ見ながらそう言った。
「う、うん! ありがとうナズナ」
見えない筈の眼がまるで見えているかのように、リリィの眼は光を灯し、今までで一番の笑顔をナズナに見せた。
「あっあぁ……言えば分かるじゃないか……」
ナズナは溢れんばかりのリリィの笑顔を見て、少しだけたじろぎながらそう言った。
リリィはナズナの様子を感じ取り、不思議そうに首を傾げていた。
「さぁ、まだ見ぬ地へと旅立つとしようか……まずは何処かで一度休みたいだろう?」
ナズナは頭を軽く振って落ち着きを取り戻すとリリィにそう言った。
「うん。流石に疲れちゃったし、それに久しぶりにお風呂に入りたい、な……」
恥ずかしそうに自分の匂いを嗅いで、申し訳無さそうにそう言った。
リリィが先程からナズナと距離を開けて歩いていたのは、それが理由だったらしい。
「別にそんな事、俺は気にしないけどな?」
ナズナはリリィの行動を見て察したようだったが、本当に何も気にしていないようで、辺りを警戒して歩みを進めていた。
「もぉーどうしてそういう事言うかなぁ、私は女の子なの。分かる?」
リリィはナズナの言葉に驚きながらも、不満げに頬を膨らませてそう言った。
「……? 何をそんなに怒っているんだ?」
ナズナは本当に分からないようで、警戒を解いて首を傾げていた。
「うーもう、知らない!」
リリィは更に頬を膨らませてそう言うと、ナズナを追い越して先へ歩いていってしまった。
「ちょ、待てって……そんなに急いで何処に行くんだよ? まだ、目的地も決まってないだろ?」
ナズナは首を傾げたま、慌ててリリィの後を追い掛けた。




