表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/134

選んだ人生

「覚悟はしていたとはいえ、人を殺すのはあまりいい気分では無いな……」

 ナズナはイーヴァの亡骸を見ながら、少しだけ儚げな表情を浮かべていた。

「……ナズナ、大丈夫?」

 リリィはそんなナズナの様子を肌で感じたのか、ナズナの手を握りながらそう言った。

「……まさか、リリィ眼が見えていないのか?」

 少したどたどしく、ナズナの手を握って来た事に違和感を覚えたのか、ナズナはリリィにそう訊いた。

「あははっ、流石はナズナだね。これでも気が付かれないように頑張って見たんだけど、ほんの少しの動作で気が付くなんて……」

 リリィは悪戯のバレた子供のように、軽く舌を出しながらナズナにそう言った。

「俺の唯一他人に誇れる能力だからな、嫌でも気が付いてしまうんだよ」

 ナズナは少し自嘲気味に、リリィにそう返した。

「……何かごめんね。私なんかのせいでこんな事に巻き込んじゃって」

 ナズナの様子を察してか、リリィはとても申し訳無さそうな表情をしている。

「……俺自身が選んだ人生(みち)だ。リリィが気にする事では無い。それよりもちゃんとした自己紹介がまだ、だったな。俺はナズナ、ナズナ・スタルリード」

 少し前まで悩みに悩んでいた青年の表情とは思えないくらい、清々しい表情を浮かべていた。

「う、うん。そうだね。私はリリィ・アプリコット……ナズナは気味悪がらないんだね……この眼に、それに知らない筈の貴方の名前を知っている事に……」

 リリィは慌てて様子で、自分の名前を口にすると悲しそうな表情に変わり、そう言ってきた。

「別にそれはお互い様だろう? 良くも知らない男から名前を呼ばれているというのに」

 ナズナは特に気にしていない様子で、辺りを見回しながらそう言った。

 そう言ったナズナの言葉にリリィはかなり驚いているようだった。

「さて、どうしたものか……流石に全員は連れて行く事は出来ないぞ? かといって何時までもここにいる訳にもいかないか」

 ナズナはそう言いながら、未だに気を失っているジニアの元へ向かった。

「おーい。ジニア、斬った本人が言うのもどうかと思うが、大丈夫か?」

 この殺伐とした状況下の言葉とは言い難い、気の抜けたような言葉遣いでジニアの肩を軽く叩いた。

「……っ痛……あれっ、俺は……」

 ナズナが肩を叩いた事で意識を取り戻したようで、傷口を押さえながらゆっくりと起き上がった。

「思ったよりも、大丈夫そうだな、ジニア。流石だな、割りと本気で斬りかかったんだが、上手く致命傷を避けたようだな」

 手加減をする事が出来なかったナズナは、多少は心配していたようで、ジニアの様子を見て安心しているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ