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ナズナの本気

「……はぁー舐められたものだな。確かに驚きはしたがそんな姿になったくらいで俺に勝てると思っているのか? イーヴァよ」

 冷静さを取り戻したナズナは大きな溜息を一つ吐いた後、まるでイーヴァを挑発するようにそう言った。

『グフフ、そんなはったり私には通じないぞ? この姿になった私には誰であっても勝てはしない』

 イーヴァは獣のような唸り声を上げながら、ナズナにそう言った。

「……俺は戦場で多くを語る者は好きではない……語りたい事があるならその腕で語って見せろ」

 ナズナはそう言うと一気にトップスピードまで上げ、イーヴァに向かって斬りかかった。

『ふっふっふ、この程度か? 所詮人間か』

 ナズナの放った剣撃を全て躱すか、いなしたイーヴァは、つまらなそうにそう言った。

「貴様の眼は飾りか? やはりこの程度か……本気を出すまでも無かったな……」

 ナズナの剣撃を全て完全に受け止めていたように見えたが、それ以上の数の剣撃をナズナは放っていたようで、イーヴァが受け止めた分と同じか、それ以上の数斬られていた。

『グフッ……なん、だと? この姿になった私が目で追えないだと? そんな、馬鹿、な……ガハッ』

 やはり、斬られていた事には気付いていなかったようで、驚いた表情をした後、ありとあらゆるところから、人間だった者の血だとは思えない緑色の血を噴き出した。

「……神霍流二刀三ノ型『隔世之感』……これが今の俺に使える最高の剣技だ。これをくらったのは貴様が初めてだ。光栄に思えよ?」

 ナズナが口にした通り、確かにナズナが今使える最高の剣技なのだろう。化け物となったイーヴァが目で追う事も敵わず、為す術なく斬り倒されたのが証明だろう。

『ハァ、ハァ……この姿の私が何も出来ずにやられるとは……こうなったら、奥の手を使うしか、ないな。私ごと全て、吹き飛ばしてやろう!』

 イーヴァは息絶え絶えにそう言うと、周りにいた魔女達から魔力を吸い取っていった。恐らくイーヴァは自分ごと自爆をするつもりなんだろう。

「ちっ! 最後の最後まで往生際の悪い奴だ……流石にこれは俺にはどうする事も出来ないぞ……」

 ナズナはイーヴァが何をしようか気付いたようだったが、魔力を持たないただの人間であるナズナにはどうする事も出来なかった。

「な、ナズナ……」

 今まで、イーヴァに突き飛ばされた衝撃で気を失っていたリリィは意識を取り戻したようで、ナズナにそう声を掛けた。

「……!? リリィか?」

 急に声を掛けられた事にナズナは驚いたようで、一瞬だけ身構えた後、声を掛けて来たのがリリィだと気が付き、構えを解いた。

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