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ジニアの葛藤

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 あの会話の後直ぐに、ナズナ達は少し駆け足で魔女の研究施設へと向かっていた。

「ジニア先輩? 俺にもし何かあっても気にせず先に行って下さい。先程から嫌な予感が頭から離れないんです。っ痛、それに頭の痛みも声も大きくなっています。魔女に……いやリリィに何か危険が迫っているのかも知れません」

 ナズナは時折頭を押さえながら、走ったままでジニアにそう声を掛けた。

「そんな訳にはいかない。魔女達よりも俺はナズナの方が大事なんだ。ナズナを見捨ててまで魔女達を助けるつもりはない……」

 ジニアはナズナと同じように走ったままでそう言ってきた。

「……せめてもう少しだけ、リリィにもう一度逢うまでは、もってくれ」

 やはりナズナは辛いようで、痛みに耐えるような表情をしながらそう呟いた。

「本当に大丈夫か? ナズナ、あまりにも酷い様なら日を改めて……」

 ジニアはナズナの様子を見て一瞬スピードを緩めたが、ナズナは大丈夫だとでも言うように、更に走るスピードを速めた。

「……無理を言ってすみません。でも、今じゃないと駄目なんです。今行かないと、絶対後悔する気がするんです」

 ナズナは申し訳無さそうな表情をしながら、ジニアに向かってそう言った。

「分かった。もう、何も言わない……それにここまで来てしまったらもう引き返せないだろうしな……」

 ジニアはナズナを止める事を諦めたようでそう言った。そんなやり取りをしている間に、目的地の近くまで来ていたようで、ジニアは更にスピードを上げ、見張りをしている兵士の後ろに回り込み、首目掛けて手刀を振り下ろした。

「……ふぅ、すまないな。お前達、俺の勝手な都合でお前達を巻き込む訳にはいかないんだよ」

 ジニアは少しだけ切なそうな表情をしながら、そう言った後、気絶させた兵士二人を目立ちにくい木の根元にそっと担いでいった。

「すみません。ジニア先輩、自分の部下なのにこんな事をさせてしまって……」

 ジニアの切なそうな表情を見て、申し訳ない気持ちになってのかナズナは頭を下げながらそう言った。

「……何、構わないさ。もともといずれはこうなると思っていたんだ……このような気持ちを抱いてしまったあの日から……それに、こんな事ぐらい魔女達の苦しみに比べたら、いや、比べる事すら失礼なくらいな」

 ジニアは少し自嘲気味にそう言っていたが、ジニアの中でも今までに相当な葛藤があったのだろう。ジニアのその言葉からは重みを感じた。

「さぁ、俺の事何かどうでも良い、準備は良いかナズナ?」

 ジニアは考えを振り払うかのように頭を振り、真っ直ぐとナズナの目を見てそう言った。それに答えるようにナズナはしっかりと頷き、ジニアの後に続き魔女の研究施設へ向かう為、罪人収容施設へと入っていった。

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