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世界(ほし)の理~魔女戦争~  作者: 白城縁
プロローグ
2/134

イストワール士官学校

//////////


「毎日毎日、同じ訓練ばかりでは流石に飽きてくるな」

白いロングコートと、背中まで届くであろう銀色の髪が特徴的な青年。ナズナ・スタルリードは剣の型を繰り返し練習しているようだった。

ここは王立イストワール士官学校の訓練施設なので、剣の訓練をしている事になんら不思議はないだろう。

一つだけ不思議というか違和感があるとすれば、ナズナの周りに散らばっている様々な種類の武器だけだろう。

「ナズナ様。何時まで訓練をしているおつもりですか? もう、とっくに申請した時間は過ぎておりますぞ?」

背中に大剣を背負っている教官と思わしき風貌をした、がたいの良い男からナズナは声を掛けられた。

「ん? あっ、すみません。訓練に夢中になりすぎて気が付きませんでした。ローラン教官。直ぐに片付けます……それよりもいつも言っているじゃありませんか。ここでは貴方が上官です特別扱いはしないで下さい」

ナズナは時計を確認した後、せっせと周りに散らばっている武器を片付け始めながらローランにそう言った。

「そうは言われましても、ナズナ様。他の生徒と同じように等……プラタナス侯爵に合わせる顔が無くなってしまいます。どうかご勘弁を……」

 ローランと呼ばれた男は困ったような表情を浮かべながらナズナにそう言った。

「……分かりました。しかし、父上にも困ったものだ。私が士官学校に入学するからといって、現役の騎士団長である貴方を教官として呼び寄せる何て……」

 ナズナ達はいつもこのようなやり取りをしているのだろう。ナズナはそれ以上何も言う事はせず、諦めて頷くと今度は矛先を自分の父親に向けた。

「そんな事を言わないで下さい。プラタナス侯爵もナズナ様が心配なのでしょう。それよりも相変わらず、物凄い数の武器を訓練していますね。以前よりも増えているのでは無いですか?」

 ナズナがどんどん片付けているのにも関わらず、一向に減らない武器の数々を見回しながらそう言った。

「確かに言われてみればそうかも知れませんね……自分でも気づかない内にどんどん増えて来てしまって……何かある度に実家から届くんですよね……」

 日に日に増えていく武器の事を思い出しているのか、ナズナは少し遠い目をしていた。

「ナズナ様がそう思っていらっしゃるなら、私には何も言えますまい。それよりもナズナ様がこの学校に入学されてから、もう三年も経つのですね……」

ローランは、何処か懐かしそうに遠くを見ている。

「そう言われてみれば、そうでしたね。あれから三年ですか……長いようで短かったような、あっという間でしたね。初めてお会いした時、かなり驚かれた事を今でも覚えていますよ」

ナズナもローランと同じように、何処か昔を懐かしむように遠くを見ながらそう言っていた。

「ははっ、あれはお恥ずかしい限りです。ナズナ様の力量もはかれず、数多くの武器を使用しているというだけで驚いてしまうなど、私も若かったです」

ローランは苦笑いをしながらそう言った。

「ローラン教官にはお世話になっているので、今更何か不満があるという訳ではありませんよ。お陰様でここまで強くなることが出来ましたし、今なら分かります。ローラン教官がまだ力を隠している事も……」

全ての武器を片付け終わったナズナは、少しだけ挑発的な笑みを浮かべながらローランにそう言った。

「ふっ、私もまだまだ未熟ですな。まだお若いナズナ様にそんな事をおっしゃられるとは」

ローランは少し口元を緩めながらそう言っていた。恐らく、教え子でもあるナズナの成長が嬉しかったのだろう。

「もう数ヵ月ではありますが、ご指導よろしくお願いします」

ナズナは一つ敬礼をしてから訓練施設を出て行った。

「本当に面白い奴だ……王族であるにも関わらずここまで向上心のある奴がは居るとは……それに奴もまだ実力の全てを私に見せている訳では無さそうだし……」

そう呟いたローランの表情は、先程の人のよさそうな感じは全く無く、邪悪な笑みを浮かべていた。無論、その様子を見ていた者は誰もいなかった。

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