王族の食事
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ダリア王との玉座の間での会話も終わり、その後直ぐにダリア王の側付きに大広間に案内され、ナズナ達は各々席に着いた。
「ナズナは間もなく十八になると言っておったな。何そなたに贈り物でもしようと思うのじゃが、欲しいものはあるか?」
ダリア王は席に着くと、ナズナの方を見てそんな事を言った。
「……いえ、ダリア王にそのようなものを頂く等恐れ多いです。この『刀』を頂いただけでもう十分過ぎるくらいですよ」
ナズナは背中に背負っていた刀に触れながら、ダリア王にそう言った。ナズナの愛用している刀も実は、元々はダリア王が趣味で収集していた武器の一つだった。ナズナが士官学校に入学する事が決まった際、お祝いとして贈って貰った品だった。
それはそれとして、国王に謁見しているというのに帯刀しているままなのは、ナズナ達が王族の血縁者という事もあるが、この国が『平和』である確かな証なのだろう。
「はっはっはっ。そんなにも大切にして貰えているんじゃ、その刀も喜んでいるじゃろうて。だからこそ、そなたに贈り物をしたいんじゃよ」
ナズナの答えを聞いたダリア王は、まるでそうなる事が分かっていたように、笑いながらそう答えた。
「それはありがたい事ですが……本当によろしいのですか?」
ナズナは少し遠慮気味にダリア王にそう返した。
「あぁ、構わんよ。わしの収集している武器でも、別に何か欲しいものがあるのなら遠慮無く言ってくれ」
ダリア王は少し悩んでいる様子のナズナの背中を押すようにそう言った。
「それでは、また武器を見せて頂いてもよろしいですか?」
ナズナはようやく決心したのか、ダリア王に向かってそう言った。
「そなたならそう言うと思っておったよ。話はローランから聞いておる。様々な武器を使いこなす『天才』じゃとな」
ダリア王はそう言うと、側付きを呼び準備を始めさせた。
「いえ、そのような事は……父上や兄上を超える為、様々な武器を会得するしか道が無かったというだけですよ。『天才』等という言葉は父上や兄上にこそ相応しいものです」
ダリア王に天才と言われた事を、驕らずそう返したナズナの表情は少し暗いようだった。
「わしはそなたも紛れも無く『天才』の部類だと思うのじゃがな……いずれ、自他共に認められる騎士になる事を楽しみにしておるぞ」
ダリア王は少しだけ困ったような表情をしながら、ナズナにそう声を掛けた。
「はっ……勿体なきお言葉、ありがとうございます。ご期待に沿える様、努力致します」
ナズナは食事中という事もあり、座ったままでダリア王に小さく敬礼をし、軽く頭を下げた。
「それでは食事が終わったら、わしに着いて来ると良い」
ダリア王はそう言うと食事を再開したので、ナズナ達も同じように食事を再開した。




