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努力と才能

「……なるほど……それが精霊魔法……ナズナの新しい力って訳か……」

 ナズナの魔法を間近で見たジニアはその魔法に恐怖を抱いてしまったようで、身体を震わせていた。

「そんなんで俺と戦おうっていうのか? 今からでも遅くは無いぞ? 諦めた方が良いんじゃないか?」

 ナズナはジニアを挑発するようにそう言うと、ディアスの魔法によって閉じ込められているフォンセの元にゆっくりと歩き始めた。

「……それでも俺は呆らめる訳にはいかないんだ……それがお前に対する礼儀ってもんだろ?」

 震える手を思いっきり叩くと、勢いよく立ち上がりナズナに剣を向けた。

「ふっ……言ってろ。手加減何て一切いらない。全力で来い!」

 フォンセの持っている杖だけを時の檻から出すとくるくると回し始めた。

「……そんな初めて使う魔法具で俺を相手にしようなんて、ナズナの方こそ全力で来いよ?」

 ナズナが杖をくるくると回している事に対して、怒りを覚えたのかそれとも自分の父親のものを勝手に使っている事に怒ったのかは分からない、ジニアは怒りを露わにしていた。

「それで良い……それぐらいの気持ちがなければ俺には勝てないよ……俺に本気を出させてみろ」

 ナズナはそう言うと、杖の形状をしたままの魔道具を持ったままジニアの方へと突っ込んでいった。

「絶対に刀を抜かせてやる……」

 ナズナのそんな挑発的な態度にまんまと乗るような形で、ジニアも同じようにナズナへと向かって突っ込んでいった。


―――「ギャイーン」―――


 ナズナの杖とジニアの双剣が交わり辺りには大きな金属音が鳴り響いた。

「へぇー結構強度もあるな……魔法で作られているとは思えない程だ……これは素晴らしい」

 ナズナはジニアと武器を交えながらも初めて持つ魔道具に感動しているようだった。

「……ちっ……この順応能力は人間を超えているだろ……」

 初めて使った魔道具だったにも拘わらず、というよりもついさっき精霊の力を手に入れたにも関わらず、その力を当たり前のように使いこなしているナズナに対して、驚きを通り越して呆れ果てているようだった。

「……そんな相手でも先輩なんだからもうちょっと手本になって下さいよ」

 呆れ果ててしまっているジニアに対してナズナは更に挑発的な言葉を発した。

「敬ってもいない癖に何言ってんだか……」

 ジニアはナズナの言葉に呆れながら、そう呟くと詠唱を始めた。

「おっ……ようやくやる気になったか? 楽しませて貰うぞ?」

 ナズナは詠唱を始めたジニアを止める事もせず詠唱が終わるのを律儀に待っていた。

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