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騎士団長

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 ようやく……とはいうほど、それ程時間が掛かった訳では無いのだが、モンスターに襲われた事もあり、多少ではあるが予定よりも時間が掛かかってアーロゲントへ到着した。

「ふぅ、辿り着いたか。さて、ここからは少し気を引き締めて行くとするか」

 プラタナスはそう言うと、ナズナとルピナスに視線を向けた。視線を向けられた二人は今一度、身なりを確認しながら頷いた後、プラタナスに続いて馬車から降りた。

「プラタナス伯爵。お久しぶりでございます。ルピナス殿もお元気そうで何よりです」

 王宮の前に辿り着くとローラン教官、いやローラン騎士団長がナズナ達を出迎えた。

「あら、ローラン殿もお元気そうで何よりですわ」

 ルピナスは片足を斜め後ろに引き、スカートの裾を両手で軽く持ち上げながら挨拶を返した。不思議に思うかも知れないが、この国ならではの高貴な女性特有の挨拶の仕方である。

「おぉ、ローランも相も変わらず元気そうだな。折角久しぶりに再会したのだ。今夜辺り一杯どうだ?」

 プラタナスは旧友であるローランに再会出来て喜んでいるようで、手を口元に持っていきコップを傾けるような動作をした。

「はっはっはっ。それも良いですな。ぜひ、御一緒させて頂きましょう」

 ローランも再会を喜んでいるようで、笑いながらプラタナスに言葉を返した。

「ローラン教官。いえ、ローラン騎士団長。ただいま戻りました」

 一通りのやり取りが終わったタイミングで、ナズナはローランに敬礼をしながらそう声を掛けた。

「ご苦労だったな、ナズナ。久しぶりの実家は満喫出来たか?」

 ローランはプラタナスからナズナの方に視線を向けると、ナズナと同じように一度敬礼をした後、そう言ってきた。ナズナの事を名前で呼んだのはプラタナスとルピナスがいて混同してしまうからだろう。

「はい。一日ではありましたが、ゆっくりと休ませて頂きました」

 ナズナはそう言うと深く頭を下げた。

「そうか、そうか。それは良かった。最近のナズナを見ていると少し心配だったのだが、杞憂だったようだな……さて、それでは私、ローランがダリア王の所までご案内させて頂きます。どうぞこちらへお越し下さい」

 ローランはそう言って、ナズナに笑い掛けた後、一呼吸置いてから口調を切り替えてそう言った。

「よろしく頼む。ローラン騎士団長」

 そう言葉を交わしたプラタナス達の様子を見て、ナズナも気持ちを切り替え、ローランの後に続いて王宮へと入っていった。

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