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スタルリード夫妻

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 ブツブツと呟いていたプラタナスがようやく正気に戻った頃には、もうアーロゲントの直ぐ近くまで辿り着いていた。

 あの後は特にモンスター等に襲われることも無く、平穏無事といった感じだった。

「ごほんっ。さて、間もなくアーロゲントだが、折角の機会だから私の兄であるダリア王に挨拶をしてから研究施設へ赴こうと考えているのだがどうだ?」

 プラタナスは咳払いを一つした後、ナズナとルピナスを見回しながらそう言った。

「あらあら、それをもっと早く仰って下さるかしら? そうしたら手土産の一つや二つ御用意致しましたのに……」

 ルピナスは頬に手を当てながら少し困ったような表情をしている。

「それは、私も一緒にという事でしょうか? 私のような子供が国王に謁見するなど分不相応だと思うのですが……」

 もう何十年も国王に会っていなかったナズナは、少し不安そうにプラタナスに訊き返した。

「まぁ確かに他国の王だったら、そんな簡単な話では無かったかも知れないが……仮にもナズナの叔父に当たる人物なのだ。そのような事は心配せずとも大丈夫だぞ?」

 ナズナの言葉を肯定しながらも、『他国の王』の部分を少しだけ強調しながらプラタナスはそう言ってきた。

「確かに、父上の仰る通りですね。いらぬ心配をしてしまいました……」

 ナズナは今一度姿勢を正しながらプラタナスにそう返した。

「そうですよ? ダリア王はそんな事を気にする程、心が狭くはありませんよ。今年に入ってからは月に一度国民との謁見の日と定め、子供からお年寄りの方まで様々な方達と交流をしているそうですから……」

 ダリア王に本当に感心しているようで、しきりに頷きながらルピナスはそう言った。

「それは、初めて知りました。私の勉強不足でした。父上と母上に恥をかかせることがないよう気を付けましょう」

 休日は殆ど図書室や訓練施設にいるかのどちらかで、滅多に街へと出かける事の無かったナズナは初めて知ったようで驚いた表情をしている。

「はっはっはっ、訓練や勉学も大事だがたまには街に出る事を進めるぞ? 彼女でも出来ればナズナも変わるんだろうが……」

 ルピナスを見つめながら、プラタナスはそう言った。

「そうよ、ナズナ。この人だって人の事は言えないくらい、訓練ばかりしていたんですから……そんな時、偶然私と……ぽっ」

 ルピナスはプラタナスと出逢った時の事を思い出したのか、頬を少し赤らめながらそう言った。


「ルピナス……」

「プラタナスさん……」


 二人は自分達の世界へ入ってしまったようで、お互いの名前を呼び合うと抱き合いキスをした。

 息子の目の前なのにも関わらず、堂々といちゃいちゃしている姿を見て、ナズナは頭を抱えて溜息を吐く事しか出来ないようだった。

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