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二度目の死

//////////


「……!?」

 扉に入って直ぐにシオンは目の前に現れた人物に驚きを隠せないようだった。

「久しぶりですね……シオン様……」

 目の前に現れたのは凄くおしとやかそうな女性だった。

「……リリスさん……」

 シオンは今まで見せた事の無い切ないような表情をしていた。

「……随分と大きくなりましたね……今年でいくつになったのですか?」

 そんなシオンの気持ちを察したのか、少しずつシオンの方に近づきながらそう言った。

「……今年で二十歳になります……リリスさんは変わらずお美しいですね……」

 シオンは膝を付き、手の甲に軽くキスをしながらそう言った。

「あら、相変わらずお上手ですね……シオン様は……それで今日はどうしたのですか?」

 昔と同じようにシオンの事を抱き締めながらそう言った。

「……俺はもう子供では無いんですから……このような事は……」

 シオンは口ではそう言ってはいたが、久しぶりに感じる最愛の人の温もりに心を動かされているようだった。

「……!?」

 しかしそんな表情は一瞬で変わり、シオンはリリスに抱き着かれている状態で後ろから彼女の背中に短剣を突き刺していた。

「……どう、して……私は……貴方を、愛、して、いた……のに……」

 リリスは自分が刺されている事に気が付き、信じられないといった表情をしていた。

「俺の最愛の人リリスは五年前に事件に巻き込まれて死んだ……どれだけ信じられなくてもそれが現実……このような夢に騙されるほど俺は弱くは無い……」

 リリスの背中に刺した短剣を抜きながら、冷たい眼リリスに向けた。

「……そう、だったわね……私は……」

 そう言ったリリィの身体は徐々に消えかかっていた。

「……安らかに眠れ……俺の最愛の人リリス……」

 シオンはリリスの方を振り返る事無く、そう呟くといつの間にか現れていた道に向かって歩き始めた。

「……本当……強い人なんだから……そんな貴方だったからこそ……私は……愛していましたよ……シオン……」

 その言葉がシオンの耳に届いたかは定かでは無いが、ほんの少しだけ口元が緩んでいる所を見ると、ちゃんとシオンの耳に届いていたのだろう。

 これがフォンセの用意したシオンに対する試練だったのだろう。最愛の人の死を二度も見せるなんて悪逆非道の事この上無い。

 他の二人にはどのような試練が用意されているのだろうか……今のシオンの試練の内容を見る限り相手の心を壊す事を目的としているのだろう。騎士団として訓練を積んだジニアなら何とかなるかも知れないがリリィには今まで体験した事が無いくらい過酷な試練になるのは容易に想像出来る。

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