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相容れぬ二人

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 あれから一週間程が経過し、辺りには廃れてしまった恐らく街や村だったであろう場所が多く見受けられるようになった。

「これは……」

「……」

 先頭を歩くシオンの普段と変わらない表情とは裏腹にジニアとはリリィは何とも言えない切なそうな表情をしていた。

「そうか……お前らはこの辺りに来たのは初めてだったか……」

 先頭を歩いてシオンは後ろを見る事も無く、空気だけで感じ取ったのか二人にそう声を掛けた。

「はい……」

「……そうだけど……」

 まさかシオンの方から声を掛けられるなんてジニアならまだしも、リリィは思っていなかったんだろう。少しだけ驚いた表情をしていた。

 ここまで一週間程の旅ではあったが、最初にシオンが昔話をして以来戦闘以外ではろくに会話をしていなかった。お互いがお互いを避けていると言えばいいのだろうか。

 シオンはシオンで魔女の事を快くは思っていないだろうし、リリィはリリィでナズナにとっての障害になりうるシオンとそこまで仲良くするつもりは無い様子だった。

 そんな中、二人と一緒にいるジニアの気苦労は創造を絶するものだったのだろう。一週間前よりも頬が痩せこけているような印象だった。

「……」

 シオンはそれだけ言うとまた黙ってしまった。

「頼むからもう少し何とかならないか? リリィ……」

 その様子を見かねてか、というよりは限界が来たのだろう。ジニアはリリィに頭を下げていた。

「……いくらジニアの頼みでもそれは聞けない……何故かジニアも知ってるようだから謂うけど……『星の記憶』がそう言ってるから」

 リリィにとっては『星の記憶』そのものが生きる為の指針になっているのだろう。『星の記憶』という能力に対して絶対的な信頼を寄せているようだった。

「……確かにその能力は未来が見えるのかも知れない……でも、未来がそうと決まった訳では無いのだろう?」

 ジニアは一瞬言葉に詰まったようだったが、『星の記憶』が絶対では無い事も知っているようでリリィにそう言った。

「……分かってるよ……そんな事をジニアに言われなくても、これはあくまで未来の一つでしか無いって事ぐらい。でも……ほんの少しでもナズナに取って良くない事が起こる原因になるのであれば私はそれを全力で阻止したい……私の事を連れ出してくれたナズナの為にも……」

 リリィはジニアに図星をつかれたのか、今まで見せた事が無いくらい言葉に棘があったが、それはナズナの事を想う故なのはジニアも十分分かっているだろう。

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