ナズナの剣技
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「さてと……大分、御者は慌てていたようだったが、どんなモンスターが……」
ナズナは馬車から降りた後、モンスターと対峙する為に辺りを見回したが、それらしいものは見当たらなかった。
「ん? おかしいな……全くモンスターの気配がしない。いや、微かにだがモンスターの気配がする」
ナズナは少し首を傾げながらも、微かに感じたモンスターの気配を追う為、目を瞑って集中した。
「……上か!」
上から徐々に迫って来る殺気を感じ取り、ナズナは視線を空へと向けた。
「ぐぇー?」
近づいて来た鳥型のモンスターは何とも言えないような間抜けな声と表情をしている。
ナズナは一瞬だけ刀に手を掛けていたようだったが、普通の人には気付く事も出来なかっただろう。
「安らかに眠れ……」
ナズナはそう言うとゆっくりと視線を落とし、そのまま馬車へと戻っていった。
その後に残ったのはナズナを襲おうとしたモンスターの姿だけだったが、そのモンスターはまるでその場所だけ時が止まっているかのように空を飛んだままその場から動かなかった
ナズナが最後に言葉を発した時には既にモンスターは斬られていたようで、斬られた事に気付いていないモンスターは生きていた時と同じように空を飛ぶ為、羽を動かそうとしているようだった。
ナズナの姿が見えなくなると、最初に襲い掛かって来た時と同じように「ぐぇー?」と何とも間抜けな鳴き声をした後、モンスターは絶命した。
今の超人的な剣技を持ってしても敵わない相手がいるとは、この世界にはどれほどの達人がいるのだろうか?
少なくともナズナが言うには今のナズナよりも、父のプラタナス、そして兄のシオンの方が強いらしい。それを超える為、ナズナは日々訓練を重ねているという事になる。
身内に自分以上の達人が、目標となる人がいるというのは普通なら誇らしい事になるのだろうが、これまでのナズナの表情を見ている限り、あまり快くは思っていないようだった。




