第1話 チュートリアル
俺こと早見タケルはまばゆい光に包まれ、ようやく光が収まり辺りを見回すことができた。
すると、そこには草原が広がっていた。
遠くの方には砦のような建物があり、唯一人が居そうな気がした。
本当に俺はユグドラシルとかいう世界に来たのか!
驚きと感動で舞い上がる俺をよそに、空から声が聞こえてきた。
「ごっほん、えーマイクテスト、マイクテストー。聞こえますかタケルさん?」
ふざけたような声で聞き覚えのある声が空から聞こえた。
「またまたーだるいとか思わないでくださいよー!一応これでもこの世界の1柱の神なんですから。それはそうと、今からチュートリアルをします」
チュートリアル?初心者用のあれか!というかあのふざけたおした男が神なのか!と心で思い、こうしてこの世界でのチュートリアルが始まった。
「まずはステータスと叫んでください、目の前に出るはずです」
俺は言われたとおりに、ステータスと叫んだ!
すると、どうだろうか。ゲームの画面のように自分のステータスが目の前に現れた。
早見タケル
ヒューマン
25歳
体力 120
攻撃力 25
防御 20
スピード 30
魔力 100
運 50
スキル
経験値増大
称号
異世界転移されし者
お金10000円
へえーこれが俺のステータスかー!それにしても魔力高いなー、。てか、お金すくな。そんなことを思っていると、また空から声が聞こえてきた。
「どうですか?どうですか?ファンタジーゲームっぽいでしょう!このシステム作ったの、実は私なんですよねー、まあそれはそうと異世界から来たわりにスキルがしょぼいですねー」
空の声に少しイラっときたが、チュートリアルをしっかり聞きたいので、我慢する。続いて、島津がこの世界のことを説明してくる。
「この世界は約1000年前に私ども神が作った、いわゆる剣と魔法の世界です。現在はヒューマンの一番大きな国、ガリア帝国ができた日に合わせ統一歴807年とされています。この世界にはヒューマンの他にエルフ、ドワーフ、獣人族などがいます。魔王はまだ現代には現れていませんが、魔物はいます。一応言いますが、この世界での死んだら、本当に死にます。コンテニューなんかはありません。では最後にバトルをしてもらいます、準備はいいですね?」
島津がそういうと、空から盾と剣が落ちてきた。拾えってことか?
俺が武器を拾うと、スライムのような生き物が三匹現れた。
倒せってことか!
「おりゃーあ」
俺は必死に声を張り上げて剣を振るう!しかし、スライムは意外に動きが早く、上手く剣を避けて、俺の胸に体当たりしてきた。
「いてー」
相手はスライムとはいえ、魔物には変わらない。攻撃されたら、ある程度痛いのは当たり前か。そんなことを考えながら、俺は必死に剣を振り5分かけて、なんとか3匹を倒すことに成功した。
たった5分程度の戦闘だったのにもかかわらず、額には汗をかいていた。
「お疲れ様です。ではこれにてチュートリアルを終了します。あなたのこれからの人生に幸あらんことを」
声が消えた後、気配が消えた。
こうして、俺のチュートリアルが終わり、この世界、ユグドラシルでの第2の人生が始まった。