13. ギャルだからステータスとかスキルとか興味ない
平日は更新するように頑張ります。
「ステータス?」
『その通りで御座います。物は試し、とりあえずステータスオープンと唱えてみて下さい』
私は今アプリの言う人類の対抗手段とやらの説明を受けている。一から説明しても難しいだろうから、そう言ってアプリは私に自分のステータスを見ることを促した。
ええ?ステータスオープぅん?
ステータスオープン。その何とも言えない微妙な響きに私は少しばかりの抵抗を覚えた。
「どうしても言わなきゃだめ……?」
『お約束ですので』
なんのお約束だよ。と突っ込みそうになるのを抑えて私は仕方なく唱えた。
「ステータスオープン」
すると、携帯端末の空中結像機能が起動し、なにかの表が目の前に写し出された。
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ドウジマ リン
レベル:1
深度:D1
所持系統:【銃魔法】
HP:50
MP:50
筋力:10
耐久:10
魔力:10
敏捷:10
運気:10
スキルポイント:10
《固有スキル》
【???】
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「なんか出た」
『それが現在の琳様のステータスです。言い換えれば強さの指標ですね』
「強さ、ねぇ……」
そう呟いて少し眺めてみる。どっかのゲームで見たような画面なので大体の意味は分かる。
「この深度っていうのはなに?」
ふと気になった深度という表示に指をさして質問をする。
『深度とは、琳様がどれほど心を解放しているかを示す度合いです。D0が力を得ていない状態を示しており、現代人のほとんどがD0に該当します。琳様は《神》と契約するために第一段階の心の解放を行いましたのでD1と表示されております』
「これが増えてったらどうなるの?」
「所持系統の枠が増え、戦闘の幅が広がるようになります」
「んじゃ所持系統ってなに?」
『要するに今後取得できるスキルのセット名で御座います。スキルはレベルが上がれば解放されますが、その時の内容は系統によって異なるのです。ちなみにスキルを取得するためにはスキルポイントを消費する必要があります。スキルポイントもレベルアップの度に1ポイント取得できます。現在は初期ポイントとして10ポイントが用意されております』
「ふーん、てか気になってたんだけど、どうしてこんなゲーム的な表示なの?」
「本来は強さを表すには高度な数式と演算処理を用いる必要があるのですが、それだと人の理解が及ばない可能性があるので敢えてこのような表現とさせて頂いてます。気に入らなければ本来の表示に戻させて頂きますが、いかがされますか?」
「いやいい、私数学嫌いだし」
少し小馬鹿にされているような気もするが、私は気にすることなくAI様のありがたいお気遣いを甘んじて受け入れることにした。
「そんじゃこれは?《固有スキル》ってやつ」
『《固有スキル》は系統では得ることが出来ない独立した特別なスキルです。これを得るのは個人の才能に依るところが大きいのですが、琳様は優秀なようでレベル1から取得しているようですね』
「てことは結構レアってこと?」
『その通りで御座います』
それを聞いて少しだけワクワクする。実際、自分に特別な能力があると聞いて悪く思う人間はいないだろう。
「ん?でも【???】ってなに?」
『申し訳御座いません。それに関しては私にも分からないのです。もしかすれば条件を満たさなければ解放されないのかもしれません』
「取得条件って?」
『わかりません。参考までに固有スキル名にタッチして詳細ウィンドウを開いてみてください』
「うん」
言われたとおりに画面を操作する。
【???】
謎のスキル。現在は使用出来ない。とある存在と縁のあるものだけが取得できる。
「結局なんもわかんないんかい!」
とある存在というワードに少し興味を惹かれないこともないが、どのみちその正体が今分かるとも思えない。そう思って私は話を進めた。
「それで?これを私に見せて何をさせたかったの?」
『はい、琳様には今からスキルを振って頂こうと思います』
「あーさっき言ってたやつか」
『そうです。まずは左上の【スキル】の項目をタッチしてください。そうすると系統の選択画面に移動します。琳様は現在【銃魔法】しか所持していませんので、迷わず【銃魔法】を選んで下さい』
「やったけど……、なにこれ?」
『それはスキルツリーです。系統スキル群を図式化したものになります』
画面には、左端から右端へ、スキル名らしき項目から線が延びて途中で分岐したりして新しいスキルに繋がっていく様が描かれていた。
右の方はなんちゃらショットだのなんちゃらステップだのあまり強そうには見えない響きのものが多いが、右側のスキルはデストロイなんちゃらだのマキシマムうんたらだのやたら強そうなワードが飛び交っている。
スキルツリー、なるほど確かに枝のように見えないこともない。
「つまりはあれか、右の方の強そうなスキルを取ろうと思ったら、前提として左端から弱そうなスキルを取っていかないといけないってこと?」
『察しが良いですね、その通りで御座います。本来ならスキルビルドは琳様ご自身に全て行って頂きたいのですが、今回だけ特別に私が指南させて頂きます』
「よろしく」
『まずは、全てのスキルの基本となるマスタリースキルを取得しましょう』
「マスタリースキル?」
『画面左端に表示されております、【銃マスタリー】のことで御座います。これにポイントを振れば振るほど銃をより巧く扱えるようになります。ちなみに、特例を除き他の系統の全てがその系統に合ったマスタリースキルを保有しています』
「基本中の基本ってことか」
そう言われて昨日の戦いのことを思いだす。
基本的な使い方は何となく分かったけど、お世辞にもあれは扱いが巧いとは言えない。最初なんて反動で狙いを外してしまっている。
「んじゃ取ってみよ」
『かしこまりました。それでは【銃マスタリー】の項目をタッチして、〈スキルポイントを振る〉を選んで下さい』
「ん」
言われた通りにすると、画面はスキルツリーの表示に戻り、ピコン!という小気味のいい効果音を鳴らして【銃マスタリー】の表示が点滅した。
どうやらこれでスキルの取得が完了したらしい。
スキル名の横には1/10と表示されていることから、多分このスキルにあと9回はポイントが振れるんだな。
スキルツリーの変化はそれだけではない。今ので条件を満たしたということなのか、先程まで薄かった【銃マスタリー】から延びるラインの一つがくっきりと濃くなっている。
そのラインの先には新しい別のスキル【ラピッドショット】の項目が表示されていた。
「なるほど、大体の要領は分かった。強くなるためにはレベルを上げてスキルを振っていくのを繰り返していかなきゃならないってことね」
『その通りで御座います。後はご自身で吟味してポイントを振っていって下さい。ちなみにポイントの振り直しは出来ない仕様ですので悪しからず』
そう言ってアプリは喋らなくなった。
ご覧頂きありがとうございます。




