表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

第6話:『悪』の作戦会議

「それでは作戦会議を始めます」

菫の号令と共に構成員4人の秘密結社の作戦会議が始まろうとしていた


中央に菫、左右に椿と桜、俺は桜の横に座っておいた


「今回の議題は組織の活動資金についてです」

「ないのか?」

「まだ少しならありますが、今後のことを考えて確保をしておきたいところです」


「今までの資金はどうしてたんだよ」

「私のお年玉貯金を切り崩していました」

1組織を運営できるほど貰ってたんですね〜

よく考えたらお年玉を貰う対象が祖父=皇帝だからな

どんだけ貰ってたのか気になるな


「椿に高性能PCでも作ってもらって、それを売ったらどうだ?」

「オーバーテクノロジーの一般への普及はルール違反だし、私はそんな普通の物を作るつもりはないわよ」


「それに表の顔を持つのは何かと大変ですし、表の顔が忙しくて秘密結社を解散してしまった組織もあるんです」

「だいたい悪の秘密結社なんだから悪いことでお金を稼がないとね」

声だけだと分かり難いかもしれないが最後のは桜だ

最近分かったことだが、3姉妹の中で一番悪の心得があるのは桜だと思う


「なら何で稼ぐ? 銀行強盗でもするのか?」

「あら、いきなり大きく出たわね。銀行は何処もヒーローが目を光らせてるから戦闘は必須だし、出てくる奴も半端なのはいないわよ。まぁ、デビルGの実戦データを取るには丁度良い機会だから是非やってみてもらいたいわね」

「ダメだよ! いきなりそんな危ないこと。まずは幼稚園バスをジャックするところから始めるべきだと思うの」

なんでみんな幼稚園バズに拘るんだろうか

もしかして何かボーナスポイントでも付いてるのか?

まず形から入る所が桜らしいと言えば桜らしいが


「はいはい、みんな落ち着いて! 椿、技術部としての意見として、どんなミッションなら成功しそうなの?」

「そうねぇ・・・銀行は難しくても現金輸送車なら可能かもしれないわね」

どの位の差があるものなのか俺には検討が付きませんがね


「なるほど、ヒーローが登場する前に撤収できる可能性が高いし、もし来ても銀行ほど強力なヒーローはきにくいわね」

「そうなのか?」

「ヒーロー協会は契約して守っている地域や建物なんかがあるんだけど、銀行は特に上級のを派遣してるわね。でも輸送車の護衛までは対象に入っていないし、もし来るとしたらヒーロー協会からの仕事待ちをしてる3流以下のヒーローの可能性が高いわ。移動系の事件は特にね」


「幼稚園バスもそのグループってわけか」

「幼稚園バスはもっと難易度が低いわね、なにせ緊急の事件じゃないし」

「中の園児にとっては緊急じゃないか?」

「怪人は園児に危害を加えられないし、現場にヒーローが到着しないと交渉もままならないわ。親と直接取引ができないように協会が妨害してくるしね」

「放置されるか、手の空いた奴がついでに来るかってところか」

「もしくは駆け出しで仕事が少ない新人ヒーローね」

「じゃあ最初の仕事は『現金輸送車襲撃』ってことでいいのか?」

「他に意見がなければ、その案でいきましょう」


「はい! はい! 『桜は幼稚園バスジャック』を提案します」

「ずいぶん拘るね桜は」

「だった最初の作戦だもん。お父さんだって地球にきて最初の作戦は幼稚園バスジャックだったって言ってたよ」

「ガキを襲って金を稼ぐのは何か引っかかるけどな」

「でもお兄ちゃん、ヒーローが来るまでに『色々』できるよ」

「色々?」

「幼児を襲う機会なんてめったにないよ。保母さんが美人のバスだってあるだろうし」

「俺ってそんな変態だと思われてるのか? ってかルール違反になるだろ危害を加えたら」

「怪我さえさせなきゃ文句なんて言われないから大丈夫! 最悪生きてりゃいいから!」


桜・・・恐い子!!!

やはり一番親父さんの血を濃く受け継いでるのは桜なんじゃなかろうか


「まあ、そんなわけで・・・最初の作戦は『幼稚園バスジャック』に決定しました」

「ノリノリじゃない」

「ふぅ、しかたないですね、それじゃあ椿は作戦を組んでちょうだい、ハジメさんは作戦中に羽目を外しすぎないようにお願いしますね」

「2人とも止めないわけか」


「だって・・・私達は『悪』なんですよ?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ